秋晴れの青空が広がる11月4日、京都市立向島秀蓮小中学校(京都市伏見区向島二ノ丸町)3年生3クラス83人の児童が、宮本ファーム、ファームTAKA、たんぼラグビー実行委員会サポート隊の人々と「たんぼラグビー会場」(京都市伏見区向島西定請)の田んぼで、1時間の稲刈り実習授業が行われた。
授業は、山本ひとみ京都市伏見区長が「今日は、先生も一緒にお米を植えて育ててもらった稲を、みんなと収穫できます。そして食べることができるのは大変うれしいこと。『お米ってどうなっているのかな?』っと、たくさんのことを教えてもらい、貴重な体験を楽しみながら学んでください」と呼び掛けると、児童から「はい!」という大きな返事が田んぼ一面に広がり始まった。
主催の高宮農園・宮本ファーム宮本直嗣さんから「米について・稲刈りの方法」を学び、各組ごとに鎌で稲を刈る担当と稲を運ぶ担当に分かれ、安全を考慮した交代制で行った。初めて鎌を使う児童は使い始めたときは「怖いなぁ」と話していたが、コツをつかむと次々に稲を刈り、コンバイン前には稲束を両手で抱え自らの収穫を笑顔で喜ぶ児童の行列ができた。刈った後も「一粒の米も残さず大切に」と、運ぶ途中で落としてしまった稲を全員で拾い米の大切さを学んだ。
今回参加した3年生は秀蓮小中学校が、中学校1校と小学校3校が統合され9学年が共に学ぶ小中一貫教育校として新設された本年度入学の第1期生。実習授業を企画提案したPTA会長の冨田敏充さんは「畑や田んぼがいっぱいある向島で生まれて育った子どもたちに、ぜひ地元の土に触れ地域の人々と心通う交流をしてほしいと願い学校に提案したところ、社会科授業と向島の「すてき」を知るという学校の取り組みが結び付き、今回の授業が実現した。今年は田植えをできなかったが、田植えから給食までを毎年恒例になるように目指していきたい」と話す。
授業で収穫した有機肥料100%使用の特別栽培米「たんぼラグビー米(にこまる米)」は精米して学校に届けられ、給食で味わう。にこまる米は九州の米で、向島でも高温障害で京都米が育ちにくい気候が続き暑さに強い米を栽培。もっちりとして甘味があり、大粒なのが特徴。