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伏見・招徳酒造を市内の大学生が見学 酒造りに懸ける酒蔵の思いを体感

蔵を見学する学生たち

蔵を見学する学生たち

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 伏見の招徳酒造(伏見区舞台町)で2月17日、「大学コンソーシアム京都」加盟大学の所属学生を対象としたイベント「日本を代表する酒の名産地 京都伏見の蔵元で『酒造りにかける信念と情熱~伝統と挑戦』」が行われた。

招徳酒造の蔵を見学する学生たち

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 京都で学ぶ学生、留学生が企業訪問や課題解決ワークを通して、就職活動前の早い段階から市内の多様な地域企業が持つ強みやこだわりに触れることをコンセプトとした同プログラム。昨年12月に募集したところ10人の定員はすぐに埋まり、酒造りや文化に興味を持つ学生が集まった。

 会場では招徳酒造社長の木村紫晃さんが、自社での酒造りに関するエピソードや伏見の酒造りの歴史について話したほか、酒蔵見学、自社の井戸からくみ上げる仕込み水や、京都市産業技術研究所が開発した「京都酵母 京の琴」を使った搾りたての新酒の試飲などを行った。木村社長の「情報量が多い時代に、日本酒の製造技術だけでなく、芸術や文化も視野に入れながら、どれだけ個性を引き出せるかが問われている」という話に参加者の学生が耳を傾けた。

 京都産業大学3回生の村岡明佳さんは「大学で地域経済を学んでおり、伏見の酒造りを知りたいと思い参加した。実際に酒造りの現場を見て、匂いや雰囲気を肌で感じることができた。衛生面でも徹底した掃除を行い真摯(しんし)に酒造りに向き合っているのを目の当たりにできて良かった。普段は日本酒を飲むことはあまりないが、近いうちに友達と伏見の酒蔵巡りに行きたい」と話していた。

 木村さんは「若者が真剣なまなざしで蔵を見学してくれてうれしい。今日をきっかけに日本酒のファンになって好みの味を見つけるなど、いろいろな楽しみ方を探してほしい。日本酒のマーケットは1970年代からずっと下降の一途をたどっている。蔵としてもイベントなどで楽しく酒が飲める機会を増やすなど努力しているが、若い人ならではのアイデアで情報発信し、私たちでは思いもつかない方法で日本酒を盛り上げてもらえれば」と期待を込める。

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