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インタビュー 京都信用金庫伏見支店 リニューアルから目指す伏見の地域活性化

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 開かれた支店から発信、伏見新店舗での挑戦について聞

 2月14日、京都信用金庫伏見支店(京都市伏見区西大手町)が、隣接する伏見酒造組合と「土地の等価交換」という珍しい手法で移転・新築オープンした。カウンターレスで開放的なレイアウトや伏見の全銘柄日本酒を装飾に使用するなど話題になっている。今回、同支店長の高岸達哉さんに話を聞いた。

まず今回の伏見支店リニューアルについてお聞かせください。

 高岸支店長 約35年前に設計された旧支店の仕様が使いにくいとの声に応えました。車両大型化も影響して、一階パーキングが出入りしにくいとのお客様の声や、当時は2階にエスカレーターで上がるのが未来的とされた入口が高齢化が進んでバリアフリーにそぐわなくなったなどを踏まえ、数年前から移転と新築を検討していたが好適地に困っていました。そんな折、お隣の伏見酒造組合さんに「こんなことができたら」土地の等価交換アイディアを提案したところ、協力をいただけることとなり今回の移転オープンとなりました。


等価交換とは珍しい手法ですが、具体的に教えてください。

 高岸支店長 「双方が土地を交換したうえで老朽化した建物を一新する」というアイディアを伏見酒造組合さんに提案をしたところ、それなりに時間はかかったものの了解をいただけました。「伏見の地域活性化に双方が協力して取り組む」というコンセプトについても共感していただけと思います。伏見酒造組合さんは、3年前に北伏見支店に統合した桃山支店跡を仮事務所としながら新事務所を来春までに完成されると聞いています。今回、全てがパズルのように奇跡的にぴたりとはまった感じがしています。

京都信用金庫ではまちづくりのキーワードとして「絆」を掲げているが、今回新店舗を設計されての思いについてお聞かせください。

 高岸支店長 開かれた信用金庫の象徴の1階スペースについては、「絆」をつなげ・つむぐ入口として特に工夫を凝らし、当金庫では3店舗目の窓口カウンターレスなレイアウトとしました。ファサード側に職員出入口を設け、閉鎖的な雰囲気を極力排除しています。法人のお客様も利用される店舗でこの設計は、当行でも初(個人向けは実績有)となりますが、受付から各ブースまで職員がお客様をエスコートし、ゆったりしたブースでプライベートバンキングについてのご相談はじめご用命に応じています。最初は戸惑われる方も少なくなかったものの、お客様からは海外の銀行やカフェのようだと好評です。オープンスペースだけでなく、遮音性のある個室ブースでご相談も可能です。

同じく1階には日本酒が陳列されていますね

 高岸支店長 伏見酒造組合さんの寄贈協力で、もともと設置予定だった棚に伏見の清酒を陳列するアイディアを採用しました。伏見が誇る日本酒と酒造組合さんとの絆の証でもあります。伏見酒造組合さんとは今後も協力し、地域活性化イベントなどコロナの状況も睨みながら展開していく予定です。その第一弾として昨秋に「QUESTION」という当金庫の交流スペースを使って利き酒イベントを実施。日本酒や伏見について知らなかったという若者はじめ多様な世代に参加いただき、手応えを感じています。

 

 

2階のオープンスペースについてもお聞かせください。

 高岸支店長 伏見で市民の方の声をお聞きすると「みんなが集まれる場所が区役所以外にまだ少ない」という声が多く、みんなが集まれる場所を作りたいと考えました。以前も地域のミーティングなどの場として会議室を提供してきたが、ミニひな壇を設けるなどオープンで楽しい雰囲気を醸成する工夫を凝らしました。伏見に本社と工場がある大東寝具工業さんの人気クッション製品「Tetra」と設置したところ、子どもにも大人気です。広くなった駐車場を活用したイベントでも、多くの方に集まっていただきたい。「伏見みなとオアシス」など、伏見のまちづくりアイディアが生まれる場所にしたいと願っています。

 

リニューアルのビフォーアフターで職員のみなさんに変化は有りましたか?

 高岸支店長 2020年11月に行われた「伏見港イベント」の際、ボランティアに私が手を挙げ、職員に参加を呼び掛けた時は参加者も少なかったが、昨年開催された同様のイベントではほとんどの職員がプライベートで家族も連れて参加してくれたので驚きました。現在職員は20名いるが、皆が挨拶しながら声を掛け合って明るい雰囲気になりました。伏見の地域活性化への興味を、自分ごととして持ちはじめてくれており、とても嬉しく思っています。

 また今回、新店舗を見学に訪れていた京都市ソーシャルイノベーション研究所(京都市下京区中堂南)のイノベーションコーディネーター石井規雄さんに感想を伺った。

 石井さん 私はこの伏見の地で多くの方々にお世話になりながら、街づくりに長年取り組んでいいます。京都信金さんがハブとなり、多種多様な人がここに集い出会うことで、新たなものが生まれていくということが起きそうだと感じました。伏見は色々可能性がある人たちが溢れていますが、みんなで伏見をより良い街にして、さらにそこから日本の色んな各地に派生できるといいなと思います。

 SILK~京都市ソーシャルイノベーション研究所としても、伏見での地域活性化について取り組める場としても期待しており、何かしら今後ご一緒できることを願っています。



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