宇治市は人気アニメ「響け!ユーフォニアム 宇治ウインターフェスタ」を同市内で2月28日まで行っている。コロナ禍のなかでの「新しい旅のエチケット」に沿った試みとして人気を呼んでいる。
「BAR Kaguya」で期間中、提供するオリジナルカクテル
コロナ禍の中での「新しい旅のエチケット」に沿った試みとして、人気アニメの舞台となった聖地を巡る企画「響けユーフォニアム 宇治ウインターフェスタ」が現在、宇治市内で行われている。同企画は、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業として採択された。
ソニー・ミュージックソリューションズのスマートフォンアプリ「舞台めぐり」を活用したデジタルスタンプラリーで地域の事業者や店舗と協力、同市を舞台にしたアニメーションコンテンツ「響け!ユーフォニアム」の名シーンとなる場所を「まるあるき」で巡るオンラインイベントとして宇治市が企画した。
スタンプラリーでは、「響け!ユーフォニアム」シリーズに登場したシーンを体感できる17のロケーションを撮影スポットとしてセレクトし、作品を追体験できるようにした。京阪電車「中書島駅」「六地蔵駅」「黄檗駅」「宇治駅」の4駅に設置した等身大パネルに限定の「マイAR」を仕込んでおり、期間によって異なるバージョンを楽しむことができるようにした。
宇治市内の商店街では、コラボ商品やコラボグルメなど作品の世界観を踏まえた商品・サービスを販売しており、「中路ベーカリー」では劇中でも登場した「フランクデニッシュ」を販売するほか、「BAR Kaguya」は劇中に登場する4人のキャラクターをモチーフにした4種の「京都アニメーション公認コラボカクテル」を提供する。
企画を担当する宇治市産業地域振興部観光振興課観光係の辰己義人さんは「コロナ禍の下、全国的に大変な時期だが、関係者の努力と協力で衛生安全対策も十二分に取ったうえで企画を始めた。この取り組みは3年目。過去2年はいずれも6000人以上の参加があり、コンテンツ・ツーリズムという新たな取り組みからの宇治市の地域活性化につなげられていると考えている。地域の商店・事業者の協力を得ながら、今回も参加者のポジティブなアンケート回答が寄せられており、手応えを感じている。できる限り来年以降も継続していきたい」と話す。「個人的なお薦めスポットは『天ヶ瀬ダム』。宇治駅からもまちあるきを楽しんでいただきながら、劇中でも描かれる美しい風景に出合ってもらえれば」とも。
企画を知り、「BAR Kaguya」を訪れオリジナルカクテルをオーダーした小野夏葵さん(大阪府豊中市在住)は「作品とリアルの融合という感じでワクワクした。キャラクターのイメージを想像できるカクテルもおいしかった」と話す。
オリジナルカクテルを考案した「BAR Kaguya」店主の佐脇至さんは「響け!ユーフォニアムのキャラクターの個性をカクテルにアレンジした。昨年12月は300人を超える多くのファンが来店し、4種全て楽しむ方も少なくなかった。こうした企画で宇治の地域が活性化するのはうれしい。宇治橋通り商店街振興組合の理事長としても協力していきたい」と期待を寄せる。
今月28日まで。