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伏見・宇治川で春を告げるヨシ刈りとヨシ焼き ヨシ刈り体験イベントとヨシ焼き見学会も

ヨシ刈りイベントの参加者たち

ヨシ刈りイベントの参加者たち

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 京都市伏見区の宇治川運動公園に隣接するヨシ原一帯で現在、ヨシ刈り体験イベントが行われている。主催は「宇治川のヨシを守るネットワーク」「伏見をさかなにざっくばらん(ふしざく)の伏見の環境を守る会」「山城萱葺」。

刈ったヨシを束にする作業を行う石井規雄さん

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 観月橋から国道1号線までの宇治川の河川敷は広大なヨシ原が広がり、古くから良質なヨシズの産地として知られてきた。近年では、収穫したヨシは文化財や重要建造物の茅葺き屋根や、秋に行われる伏見・三栖神社の火祭り・炬火祭の材料としても使われている。ヨシ刈りを含む「蘆の茅採取」は、2020年12月にユネスコの無形文化遺産「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」への登録が決定され、次世代に継承すべき文化の一つとして再評価されている。

 「山城茅葺」の石井規雄さんは「ヨシはイネ科の水辺に生える植物で、4月に芽を出し秋に花が咲き、冬に枯れる。枯れた後、放置しておくとそのまま立ち枯れをして、藪になってしまう。それを防ぐためには、新芽が出る前の2月~3月に、ヨシ刈りとヨシ焼きを行うなどの手入れが必要となるため、2013(平成25)年からヨシ焼きを、2016年からヨシ刈りの体験イベントを行っている」と話す。

 2月7日に行われた体験イベントには、地域住民ら約50人が参加。背丈を超える高さに成長したヨシを、鎌などを使って収穫した。当日参加した西春香さんは「高さ3メートルもあるヨシの高さに圧倒された。全て手作業で刈り取って茅葺屋根になることを初めて知った。ヨシ刈り作業も楽しかった」と振り返る。

石井さんは「この場所は西日本最大のツバメのコロニーとしても知られる自然の宝庫。豊かな自然を感じながら、地域の内外の皆さんに茅葺の原料となるヨシという自然の恵みを感じていただこうと体験会を企画した。今年で6回目になる。当日も多くの方に参加していただき、手応えを感じている」と話す。
 3月12日・13日は8時から、宇治川大橋南詰東側の堤防上で「ヨシ焼き観察会」を行う。

 問い合わせは「伏見のヨシ原、再発見!」プロジェクト事務局(TEL 0774-55-6912)まで。

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