伏見桃山城(京都市伏見区桃山町大蔵)に11月2日、3日に行われる「伏見・お城まつり」まで約1カ月となった。
「伏見・お城まつり」は、2014(平成26)年に天守閣建造50周年を迎えるに当たり、伏見区の市民参加型イベント「ふしざく」で、「この城を伏見のシンボルとして活用するきっかけの場としてイベントを開こう」「伏見の歴史を全国に発信し、このお城を後世に残していこう」という活動がスタート。行政が「市民の手づくりイベント」をサポートする形で始まった。4年目の2017(平成29)年からは運営費を市民や企業・団体の寄付で賄っている。
10月5日には、支援を呼び掛けるクラウドファンディングが始まった。実行委員会の坂本清彦さんは「お城まつりは、『伏見桃山城の現状について知ってもらうこと』を目的としてスタートした。もともとは伏見桃山城キャッスルランドに建築された模造天守だが、伏見のシンボルとして地域の景観に住民の心にしっかりと根付いている。この地域シンボルを守る活動の一環として、今後も祭りを継続的に開催したい。またチラシ・プログラムの印刷、シャトルバス運行、会場の安全対策を含めて、円滑な運営のために多くの方の賛同と支援をお願いしたい」と話す。
支援のコースは、「商品券1,000円分(お祭りのほか、納屋町商店街または竜馬通り商店街でも使用可能)&伏見もも丸ステッカー(3枚、抽選券とシャトルバス乗車券兼用)」(3,000円)、「お城まつり特製WE LOVE FUSHIMI Tシャツ&商品券1,000円分&ステッカー」(5,000円)、「Tシャツ&商品券2,000円分&ステッカー&マグネットバンパーステッカー」「お祭り出店の権利(6,000円相当)&ステッカー&マグネットバンパーステッカー」「ライブステージを20分間自由に使える権利&ステッカー&マグネットバンパーステッカー」(以上1万円)、「Tシャツ&商品券2,000円分&ステッカー&マグネットバンパーステッカー&BBQ券&協賛名掲示」(2万円)、「伏見・もも丸を半日あなたのものにできる券」(10万円)。
伏見桃山城の今後について、事務局長の藤崎壮滋さんは「2003(平成15)年に伏見桃山城キャッスルランドが閉園し伏見桃山城が解体されかけた時、地域住民が存続を求めて声を上げてお城を残すことができた。現在は耐震基準を満たしていないということで中に入ることはできず、また昨年の地震・台風で小天守のしゃちほこが落ち、正門の扉が飛ばされるなどの大きな打撃も受けた。修繕には多額のお金が要る。どうしたら先達の思いを引き継ぎ、後世に残していけるのか、地域で考えていきたい。行政任せではなく、自分たちのこととして」と話す。
坂本さんは「支援に当たってのメッセージや会場に設置する意見箱に、『伏見のお城でこんなことがやりたい』といった夢や希望、意見をどんどんいただきたい。この祭りを皆さんと一緒に伏見の未来を考えるきっかけにしたい」と意気込む。
クラウドファンディングの締め切りは10月26日。