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伏見・京都高低差崖会崖長の梅林秀行さんによる伏見城、豊臣地形 凸凹ツアースタート

ブラタモリ伏見で大活躍の梅林秀行さん

ブラタモリ伏見で大活躍の梅林秀行さん

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 京都のミニツアーまいまい京都主催で、京都高低差崖会崖長の梅林秀行さんがガイドを務める、「指月伏見城と木幡山伏見城の豊臣地形を巡るツアー」が5月20日、定員の18名が参加してスタートした。

梅林さんの解説を聞くまいまい京都ツアー参加の皆さん

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 20日に実施されたのは後編の、「幻の伏見指月城をめぐる~秀吉は土木マニア!?伏見“最強の首都”構想、驚異の巨大人工地形~」コースで、5月26日からは、前編の「伏見城「豊臣地形」凸凹ツアー~伏見は“日本の首都“だった!城下町から大名屋敷街、伏見桃山城まで~」コースを実施する。梅林さんが案内人を務めたブラタモリ伏見のロケ地などを巡る。

 梅林さんは、京都高低差崖会崖長として活動をする他、まいまい京都で2011年秋から地形、高低差、断崖絶壁、土塁、古地図、絵図、土木などの歴史の痕跡を様々な切り口で紹介してきた。

 2015年1月放映の「ブラタモリ京都」、2015年放送の「奈良」、2016年4月放映の「嵐山」、5月放映の「伏見」でタモリさんと共演している。

 この日実施されたツアーは、伏見指月城と向島城という幻の城を地形、高低差などで場所を確認しながら、宇治川の流れを変え、いくつもの大規模な堤を築造させた理由や、土木マニアと評された、秀吉の晩年最後の大事業を梅林さんの解説で巡った。

 伏見指月城が実在したかどうかが判明したのは、2015年の発掘調査によるもので、新聞で大きく報道された。「指月の丘」と言われるこの場所を梅林さんは、「土地の引力がある場所」と語る。

 歴史上この土地は、橘俊綱の伏見山荘造営、後白河院の伏見殿造営、足利義満が伏見殿を引き継ぎ、崇光天皇第一皇子・栄仁親王が伏見殿が移ると共に、伏見宮家が誕生する。秀吉が指月城を造営、拡張をすすめ、徳川家と深く関わりを持つことになり、やがて明治天皇崩御により御陵が伏見桃山の地と決定することになる。

 梅林さんは、「秀吉や家康、天皇家たちが好きだった絶景(ブエナビスタ)がこの場所にあったからこそである。それを可能にしたのが、巨椋池の存在だ。」「現在、この地にある観月橋団地の再生プロジェクトが注目を集め、2012年グッドデザイン賞を受賞した。この土地の物語は終わっているのではなく、今も続いている」と言う。

 ツアー後半はその巨椋池がなくなった理由、秀吉の大事業、太閤堤と向島城についての解説だ。観月橋を渡り、現存する太閤堤のある町は、タイムスリップしたかのような町風景である。向島城周辺も古地図の地形そのままに、農家や古民家が建つ。「町は守るのではなく、住んでいる生活に息づいた街並みが残っていく」と梅林さんは言う。

巨椋池は水害や水質の悪化などの理由で干拓され、現在その場所には、向島ニュータウンと言う昭和の夢の住まいが建っている。その近くの公園でツアーは終了した。

 ツアーに参加した女性は「数回梅林さんのツアーに参加してきた。やはり面白い。解説が本当に楽しく、坂や崖を見る目も変わった」と笑う。

 梅林さんは、「伏見には魅力のある場所がやはり多い。今までスポットの当たっていなかった場所が、取り上げれれるのは嬉しいこと。とにかく歩き回って色々なものを見てほしい。」と締めくくった。

 梅林さんのツアーは次の日程で実施される。

 開催日時は前編=5月26日13時~16時30分、29日14時~17時30分、6月4日14時~17時30分、6月15日13時~16時30分、6月25日14時~17時30分、7月9日14時~17時30分、後編=5月28日14時~17時30分、6月5日14時~17時30分、6月21日13時~16時30分、6月26日14時~17時30分、7月10日14時~17時30分。参加料は3500円。定員は18人。
ツアーは6月15日と21日に若干の空きがある他は、キャンセル待ちの状態。

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