京都市伏見区向島の農地で2月25日、「5分間の花火大会」が行われた。主催は障がい者地域共生拠点「イマジン」。協力は宮本ファームと向島たんぼラグビー実行委員会。
向島地区での「5分間の花火大会」は今回が2回目。1回目は伏見区内の中学生の保護者らが「コロナ禍の卒業の思い出に花火を見せてあげたい」と企画し、2021年3月に行われた。
今回の花火大会は、イマジンの塩貝仰さんが「京都2022 TSUNAGU PROJECT」として計画。塩貝さんらは2018(平成30)年から宮本ファームの農作業を手伝い、2020年からはより一歩踏み込んだ農作業と自給自足を目的とした米づくりに挑戦してきた。
2021年の米づくりは「準備期間を通して、出会った方々との豊かなつながりを創っていきたい。まだまだコロナ禍で行動制限がある中、平穏な日常が戻るときまで小さな輪を広げながらその象徴的な形として花火大会を開催したい」という思いに発展。その思いに賛同した宮本さんが、花火の打ち上げ場所と収穫した300キロの米を無償で提供。「京都向島花火米」の名称でイマジンが地域の個人や企業、事業所に販売し、花火大会の活動資金を捻出した。
当日は、たんぼラグビー実行委員会と向島秀蓮小中学PTA役員が地域住民に発信。19時から80発の花火が夜空に打ち上げられ、集まった地域住民らが色とりどりの花火を楽しんだ。
宮本さんは「冬のたんぼを活用した新たな挑戦だったが、皆さんの温かい支援と運営サポートのおかげで、向島地域に最高の元気をお届けできた。この場を借りて、暑い時も雨の日も必死で花火米の米作りに励んでくれた事業所の子どもたちやスタッフの方々に感謝申し上げたい。このイベントを通じて、人の思いやつながることの大切さを感じていただければ」と笑顔で振り返る。
塩貝さんは「支援学校に通う子ども達にとって卒業前の最高の思い出になったと思う。『花火があがって向島・巨椋池が盛り上がるのはうれしい』と地域の方々や学校、農業関係者の皆さんからもメッセージをいただいた。今後もこのつながりを大切に、いろんな立場の人が集い、第2、第3回と続けていければ」と意気込む。