宇治田原町奥山田の正寿院(しょうじゅいん)で夏恒例の「風鈴まつり」が開催され、風鈴2000個が清涼な音色を奏でている。鎌倉時代に創建された同院は、快慶のお不動さんで知られている。
「風鈴まつり」は、茶畑の広がる山間部の京都市内と比べ夏は5度ほど涼しい特徴を生かし、気温だけではなく風鈴の見た目や音など、人間の五感「眼耳鼻舌身」で涼を感じてほしいという思いで始まり、今年で10年目を迎える。
「花風鈴は当院オリジナルの風鈴で、花風鈴小径は7月上旬までアジサイだった。7~8月はヒマワリ、9月はコスモスと、季節ごとに花の変化も楽しんでいただける。職人が一つ一つ手作りした伝統工芸品のカラフルな江戸風鈴の棚では、それぞれ音色が違う涼も楽しんでいただける」と同院関係者は話す談。
客殿(則天の間)にはSNSで話題になった「猪目(いのめ)窓」がある。猪目は、ハート型に類似しており古くから伝わる日本伝統文様の一つで、約1400年前から寺や神社などの建築装飾として使われており、災いを除き、福を招く意が込められている。風鈴まつりと同時に拝観できる。
風鈴まつり期間中の拝観料は700円(菓子付き)。期間中の土曜・日曜・祝日とお盆(8月9日~16日)は新型コロナ感染対策で、駐車場が満車の場合は入場制限を行う。風鈴まつりは9月18日まで(8月17日のみ伝統行事のため終日拝観中止)。