京都市立呉竹総合支援学校(京都市伏見区桃山福島太夫北町)が納屋町商店街と連携する「なやまっちプロジェクト(略称=なやプロ)」の取り組みで、同商店街のアーケードに生徒が制作したタペストリー作品を展示している。
商店街に展示されている生徒製作のキャラクター「なやまっち」タペストリー
同校と同商店街との交流は、2020年に同商店街の小林呉服店(納屋町)が生徒に着物の着付け体験機会を提供したことをきっかけに始まった。生徒が地域の商店街を通してまちづくりやまちおこし活動に参加できることを目的に商店街全体での企画を行うようになり、徐々に参加生徒数や規模を広げてきたという。
今回、全校生の半数規模の生徒が共同作業で納屋町商店街の公式キャラクター「なやまっち」をテーマに、コロナ禍の中で商店街を元気にしたいという思いでタペストリーアート作品(150センチ×200センチ)を制作。4月初旬に展示を始め、5月末まで商店街を明るくするアート作品として掲出されている。
今回の企画を担当した同校・森敦教諭は「当校では、生徒たちの自主性を大切にしながら才能を自ら発見したり、成長を促せる機会としてアート作品を制作したり、紙や布を加工したり、陶工や農園運営によるワーク製品の企画や販売などに取り組んだりしてきた。納屋町商店街との取り組みは自分たちの作品がまちの商店街に展示掲出されることで、まちの一員としての意識を高めたり、自分たちの作品がまちの景色となることでまちづくりに参加しているという意識を自然と持てたりするため、大きな意義を感じている」と熱く語る。
同商店街にある川魚専門店「鮒新 佐野商店」(納屋町)3代目の塩貝泰明さんは「コロナで厳しい状況が続く中、子どもたちのアートが商店街に展示されることでまちが明るくなって喜んでいる。家族に自分たちの作品を見せるために商店街に足を運ぶ子どもおり、商店街に親しみをもってもらえるきっかけになれば」と話す。
同校と同商店街は今後も、生徒たちが積極的に商店街での企画を通して学びの機会をつくる取り組みを進めていくという。