京都市伏見区の京都府立京都すばる高校(京都市伏見区向島西定請)で2月19日、起業創造科の生徒を対象にした「ソーシャルベンチャー講演会」が行われた。
2019年度から、商業科を「起業創造科」と「企画科」に学科改編した同校。起業創造科は、会計やマネジメントを中心にまなび、それらを土台としながら地域や社会課題をビジネスの視点で解決を目指す学科。経営者視点や感覚で社会や会社の現状を見極め、課題解決のための創造的な思考や行動ができる人材の育成も目的としている。
同科では、伏見いきいき市民活動センターと連携。同センター長の三木俊和さんが地域協働実施支援員として、地域や社会課題をテーマにした授業をサポートしている。今回の講演会は、その取り組みの一環。
当日は、三木さんが教壇に立つ課題解決実践プログラム「Ryu-SEI GAP(龍谷大学政策学部 Glocal Action Program)」で学びながら、学生起業した株式会社RE-SOCIAL代表取締役の笠井大輝さん、江口和さん、山本海都さんが講演。同科の生徒約100人を前に、大学のゼミで取り組んだ「獣害被害調査」をきっかけに、ジビエをテーマに京都府笠置町で起業した経緯や資金調達の方法、事業内容を説明した。
笠井さんは「ジビエ料理の普及には鹿肉を安定供給する仕組みが重要。捕まえた鹿を柵の中でしばらく飼う『養鹿』や、猟師の保有できる檻をシェアする『檻のオーナー制度』、『鹿肉のハラル認証取得』に取り組んでいる。さまざまな部位を流通させることで、獣害被害を少なくして、人間と動物が共存できる循環型社会を実現したい」と語りかけた。
同科の河野翔太教諭は「地域や社会課題解決という、答えのないことに挑戦している。価値創造型社会の中で普段のビジネスの学びを、様々な仕掛けを通して生徒に『おもしろい、楽しい』と思って貰えるような授業作りに努めたい」と意気込む。