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伏見の和ろうそく店 京都産ろうそく原材料の地産地消を目指し府立高校らと連携

和ろうそくの原材料を搾る機器を再現した北桑田高校の生徒と中村ローソクの田川さんら

和ろうそくの原材料を搾る機器を再現した北桑田高校の生徒と中村ローソクの田川さんら

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 京都市産業技術研究所(京都市下京区)で12月12日、和ろうそく原材料の搾り機のお披露目と、櫨(はぜ)や漆など原材料の地産地消を目指す「悠久の灯(あかり)プロジェクト」のイベントが行われた。主催は有限会社中村ローソク(京都市伏見区)、京都府立北桑田高校、NPO法人・丹波漆。

中村ローソクの和ろうそく

 「和ろうそく」の歴史は古く、奈良時代に仏教とともに伝わった蜜ろうそくが起源。平安時代には松脂ろうそくが、室町時代に櫨の実や漆の実など純植物性の原材料を使ったろうそくの製造が始まり、江戸時代後期から明治時代に使用量のピークを迎えた。

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 当時、高級品とされた和ろうそくはその後、石油から採れるパラフィンが原材料で大量生産が可能な「洋ろうそく」の普及とニーズの減少により苦境に立たされ、現在、京都で和ろうそくの製造を手掛けるのは「中村ローソク」を含めて5軒、全国で10軒のみとなっている。

 中村ローソク社長の田川広一さんは「櫨ろうを使った和ろうそくの製造は、ハゼノキから櫨の実を採取した後、製ろう、製品加工の順で行う。櫨ろうを採取するハゼノキが減少しているのも、生産量が減っている要因。今回のプロジェクトは、北桑田高校と連携してハゼノキの植林を京都で行い、産業化していくことを目指している」と、背景について説明する。

 この日は、京都府福知山市夜久野町で丹波漆産業の復興を目指した活動に取り組む、NPO法人・丹波漆の呼び掛けに応える形で、北桑田高校の生徒が制作した搾り機を使って、漆ろうの採取を行うイベントが行われ、京都市産業技術研究所(産技研)の関係者、漆職人の山内耕祐さん、北桑田高校の生徒6人が参加した。

 北桑田高校・森林リサーチ科3年生の久保颯太さんは「悠久の灯班ではブドウ櫨について学び、校内にある農園で育ててきた。今回は本校で製作した搾り機を使用し、夜久野産漆からうまく搾れたことは本当に良かった。あれだけの量を蒸しても少ししか蝋が取れないことを知り、改めて和ろうそくの貴重さが分かった」と笑顔で振り返る。

 田川さんは「櫨ろうはジャパンワックスとも呼ばれ、ハンドクリームの原材料として海外での評価も高い。ろうそく以外にも、商品価値の高い商品を開発することで産業の自立化を目指し、ハゼノキの植林活動に賛同する仲間を増やせたら」と意気込む。