三十石船モチーフの船型カーゴバイクで伏見の魅力をPRする団体「伏見の港デザイン研究所 .port(ドットポート)」が3月から活動を開始した。
同団体は、一般公募によるワークショップ参加者と共に1年をかけてローカルメディアを構想・制作するプロジェクト「CIRCULATION KYOTO(サーキュレーション キョウト)」のメンバーとして活動していた、デザイナーの林亜衣子さんと京都造形芸術大学建築学科大学院生の下寺孝典さんが立ち上げた。
林さんは「私自身は大阪で生まれ育った。プロジェクトの活動で伏見の町と出合い、いろいろな方と接することで伏見の町の楽しさを知った。外部の人間から見る伏見は、京都でもなく大阪でもない伏見オリジナルの魅力で一杯。プロジェクトの活動を引き継ぐ形で伏見の魅力をPRする『伏見勝手に応援団』を結成した」と背景について説明する。
伏見はかつて大阪天満橋の八軒家浜(はちけんやはま)と三十石船で結ばれていた港町だった。林さんと下寺さんは、現代の港を作るアイコンとして、三十石船をイメージしたカーゴバイクを企画・デザイン。設計や制作は、下寺さんを中心に林さんの仲間である設計者や自転車に詳しい編集者が担当した。
下寺さんは「カーゴバイクは伏見を回るという意味合いで『伏見マール』と名付けた。このカーゴバイクが『人とモノやコトが交わる場』『伏見を知るきっかけの場』になっていけたら」と話す。
今後について林さんは「伏見マールは4月下旬に完成予定。伏見のPR活動として、大阪の商業施設や大阪の「水辺のまち再生プロジェクト」などと相談している。舟運の航路と重なる京阪沿線でのサイクリングイベント、伏見の魅力体験ツアーも企画している。伏見の魅力をPRして伏見のファンを増やしていければ」と意気込む。