京都市伏見区の深草坊山地区の放置竹林の整備を行う「深草ふれあい農業体験団」が、11月で17年目を迎える。
深草は、平安時代に「深草や 竹の葉山の 夕きりに 人こそ見えね 鶉なくなり」と和歌に詠まれ、江戸時代には竹を使用した団扇が特産品になるなど、古くから竹の産地として知られてきた。
近年では、乙訓(おとくに)地区と並ぶタケノコの産地としてや、深草トレイルの竹林散策路としても人気を集める一方で、人の手が入らない荒廃した放置竹林は、地域の大きな課題となっている。
同団体は「深草坊山地区の放置竹林を美しい竹林に変えよう」という地域住民らの呼び掛けに、京都市も協力する形で2001年11月に発足。以来、地元農家と協力しながら、甲子園球場のグランド部分とほぼ同じ面積になる約4000坪の放置竹林を整備してきた。
同団体が運営する体験教室のリーダーの畑中英治さんは「現在は毎週水曜日に活動している。春にはタケノコを収穫してメンバーで分配、今年は竹林を開墾して、野菜畑や果樹園を作るなど、楽しみながら活動を行っている。今後は休日に親子で参加しても貰える「家族デー」などを企画するなど、土曜日の活動も行なっていきたい」と話す。
「現在の活動メンバーは52人で、平均年齢が70歳を超えているのが課題。次世代にこの美しい景観を引き継いでいくためにも、若い人にも参加して貰いたい。10月11日に『深草ふれあい農業体験教室』の新規受講生の説明会を『京都市東部農業振興センター』で行うので、ぜひ足を運んでいただけたら」と呼び掛ける。
説明会は14時から。受講するには年会費4000円が必要。問い合わせは(TEL 080-4391-4416)畑中さんまで。