京都市伏見いきいき市民活動センター(伏見区深草加賀屋敷町)で7月16日、フリーペーパーの店「只本屋伏見店」の月に一度のイベントが開催された。主催は同施設。
京都の東山五条に昨年3月にオープンした只本屋は毎月最終土曜・日曜に営業するフリーペーパー専門店。同店代表の山田毅さんによると約1000種類、バックナンバーを含めると5000種類のフリーペーパーを持ち、場所柄、台湾や中国、韓国からの外国人旅行者の利用も多いという。
只本屋伏見は同施設の呼び掛けで実現したコラボ企画で、毎月第3土曜に開いており、プレイベントを含めて今回が3回目となる。五条の本店では8冊まで、伏見店では5冊まで無料で持ち帰れる。
開催の経緯について、伏見店・店長で同施設副センター長の小野賢也さんは「伏見は京都市北部に比べて本屋や図書館の数が少なく、市民からも『本と触れ合える場所がもっと欲しい』という声が多かった。その声に応える形で開設したのが、ブックマーク伏見という『ほんと学びの空間』」「ブックマーク伏見では『伏見に詳しい』『まちづくり』『市民活動』などの専門家が推薦する本を紹介する本箱を設置、市民が本を楽しめる場を提供している。学生や社会人が参加する市民チームによる公開ミーティングを行っており、只本屋はミーティングで出たアイデアから実現した企画の一つ」と話す。
この日は伏見の本好きな人やフリーペーパーに関心のある人などが訪れ、興味深そうにフリーペーパーを手に取っていた。15時からは、「御香宮神社の御香水の音」「伏見稲荷の鉦(かね)の音」など伏見の音を聴くワークショップも開催。ワークショップは毎月「伏見を五感で感じる」をテーマに開いており、10月まで毎月テーマを変えて開いていく。
山田さんは「デジタル媒体が増えてきている時代だが、紙媒体には紙媒体の良さや役割があり、それを必要としている人も多い。フリーペーパーも情報を発信したい人と受け取りたい人をつなぐ重要な役割があり、この本屋も人が集まり情報交換や交流がスタートするなどの空間としての役割がある。今後も伏見のような『本やフリーペーパーを通したまちづくり』の助けができたらうれしい」と話す。
小野さんは「今後も市民の皆さんと『本を通したまちづくり』を進めていきたい。ミーティングにも、どんどん参加してほしい」と呼び掛ける。