京都府向日市の物集女(もずめ)車塚古墳(向日市物集女町南条)の石室一般公開が5月24日、始まった。同古墳の石室は毎年この時期にのみ公開される。
同古墳は古墳時代後期、6世紀中ごろの前方後円墳で全長約46メートル、継体(けいたい)天皇に仕えた有力豪族の墓といわれている。石室は最古級の横穴式石室で、通路と石櫃(ひつ)の置かれた広い部屋から成る。通路途中の床には結界石があり、通路の天井には1.5トンの石がある。石櫃の置かれた部屋の高さは約3メートルで、天井には通路の天井にあった石の2倍以上の重さの石が積まれている。全体に使われている石の総重量は多いと90トン以上、少なくとも70トン以上だとみられている。
毎年近隣だけでなく、全国から考古学ファンが集まる同古墳の一般公開だが、専門家が同行して丁寧に解説するため、考古学に詳しくない人も楽しむことができるという。この日大阪から同古墳を訪れた考古学ファンは「今まで知らなかった新しい説や、なぜこの古墳がこの場所にあるかなどを丁寧に解説してもらうことができて、今日は来てよかった」と話し、地元向日市に住みながら初めて訪れたという人は「基本的なことを質問しても教えてもらえたので遺跡に対する興味が湧いた」と話していた。
公開時間帯は、10時~12時、13時15分~16時30分。入場無料。今月31日まで。参加申し込みは文化財調査事務所(TEL 075-931-9901、土曜・日曜を除く8時30分~12時、13時~17時)で予約を受け付けている。