京都市伏見区の京都府立京都すばる高校(京都市伏見区向島西定請)プレゼンテーション実習室で11月25日、起業創造科2年の生徒105名を対象にした「創造実習(SEASON2)」で企業向けに「ファイナルピッチ」として最終プレゼンテーションが行われた。
「京都の未来のために起業創造せよ」という共通テーマを設定、対象となる高校生がチームワークでリサーチや起業提案を行うことでマネジメント力を向上させることを目的にしたという。8月26日の「心構えワークショップ」を皮切りに、2カ月のリサーチ期間を経た最終プレゼンは11月11日、16日、25日の3日でそれぞれ実施され、25日はその最終セッション。
当日は「食品ロスを減らす電化製品」「伝統産業を取り戻そうの会」など合計9つのプレゼンが行われ、NPO法人「グローカル人材センター」、西村証券、イシダの担当者が耳を傾け、「表現力・構成力」「創造力」「ビジネス」「社会貢献」の4つの項目で講評を行い、プレゼンに対しての質問やアイデアの掘り下げを行うなど対話型の審査を行った。
プレゼンを終えた女子生徒は「自分のグループはあまり発表が得意なメンバーがいなくて苦労したが、今後大人になるまでにこうした経験は役立つと思った。この機会を設けていただいて感謝している」と話した。
今回のプレゼンに最初から伴走サポートを行った行元沙弥さん(NPO法人グローカル人材開発センター)は、「今回、連携企業内で議論されていることが奇しくも学生提案されるなど、着想や感性の良さが光った。地域で人材育成をするという視座を持ち、若者の力を信じる地域の企業協力者、そして熱量のある先生方の日々の働きがあって初めてそれが実現するので、長期的成果を先生方と大切にしたい。当事者意識を持ち、自分の学びにオーナーシップを持つこと。大人側も学びワクワクしているかを自問自答しながら進みたい」と振り返る。
すばる高校地域協働学習実施支援員を務める伏見いきいき市民活動センター長の三木俊和さんは「まちや地域企業からの題材を元に考え、プレゼン、行動する学びの機会は近年高校でも増えているが、京都すばる高校は普通科に比べてかなり多い。これから3年生が生まれる新しい学科だが、コロナ禍を超えた3年目の生徒の飛躍を楽しみにしている」と期待を寄せる。
今回の企画を担当した同校商業科・地域協働推進室長の北川博士教諭は「今回、答えのない社会の中で生徒の想像力を鍛えることを目的にした。テーマは企業内起業。協力いただいた企業の強みについて学び、チームで協働しながら、地域の困りごとについて考える機会にしてもらえたのでは」と熱く語る。
同校では、今後も今回のような地域の企業の協力を得ながら来年に向けて今回の案の具現化につながる取り組みについても継続的に力を入れていくという。