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宇治・萬福寺でパティシエの鎧塚俊彦さんのトークショー 「宇治を元気に」と願い込める

萬福寺で行われたパティシエ・鎧塚俊彦さんのトークショーイベント

萬福寺で行われたパティシエ・鎧塚俊彦さんのトークショーイベント

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 京都府宇治市の萬福寺(宇治市五ケ庄三番割)で11月7日、「隠元禅師生誕祭」のイベント、パティシエ・鎧塚俊彦さんのトークショーが行われた。主催は同実行委員会。萬福寺、宇治市、宇治商工会議所、宇治観光協会、お茶の京都DMO、京阪電気鉄道が後援している。

萬福寺のシンボルにもなっている大きな魚の形をした木彫・開梛(かいぱん)

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 萬福寺は1661(寛文元)年に創建された禅寺で、黄檗宗(おうばくしゅう)の本山。中国の明朝様式を取り入れた建築物が特長。開祖の隠元禅師は、中国福建省の黄檗山萬福寺(古黄檗)の住持だった1654(承応3)年、日本からの招請に応じて来日。インゲン豆、スイカ、蓮根、孟宗竹、木魚は、禅師が日本に紹介するなど、日本の文化や食生活に大きな影響を与えた人物としても知られる。

 今回のトークショーは、「隠元禅師生誕祭~コロナに負けるな!萬福寺から宇治を元気に!~」のイベントのひとつ。宇治市出身のパティシエで同市観光大使の鎧塚さんと、黄檗宗・宗務総長でイベント実行委員長の荒木将旭(しょうきょく)さんの対談形式で行われた。

 鎧塚さんは「自分が生まれ育った宇治を少しでも活性化出来ればとの思いで、観光大使を引き受けさせていただいている。子どもの頃から写真好きな父とも足繁く通ったこのお寺に、開祖である隠元禅師の生誕祭でみなさんと今回ご一緒できて嬉しく思っている」とあいさつ。

 イベントテーマのコロナについては「コロナで大変な状況が続いているが、例えばフランスでもロックダウンの中で生活に必要な小売業の中でケーキ屋さんやパン屋はオープンしている。私の東京や小田原の店を今まで閉めることなく、ずっとオープンしてきた。その時に『ありがとう』、とお客様から言ってもらえるのが何よりうれしい」と鎧塚さん。

 「お料理は身体の栄養だが、スイーツは心の栄養。こんな時期だからこそ、スイーツを買いに来てくださるお客様に感謝されてパティシエをやってよかったと改めて思う。これからも対策を取りながら、来年に向けて今がチャンスとスタッフを増やしていくことも考えているところ」とも。

 荒木さんが対談の中で「萬福寺のオリジナル限定スイーツをぜひ鎧塚さんに創作いただければ嬉しい。将来宇治のみなさんと楽しみにしている」と語ると、会場に大きな拍手が起こった。

 女性参加者からの「鎧塚さんのスイーツを宇治市内のどこかで、将来楽しめる計画はないか?」という質問には、「関東の店舗運営でまだまだ注力する必要があり、今のところ宇治市内に出店する計画はないが、機会があれば何かしらの仕掛けについては考えていきたい」と答えていた。

 イベントプロデューサーの岩崎三知子さんは「私自身も宇治市が地元。学生時代からのご縁から、観光大使でもある鎧塚さんに協力していただいた。鎧塚さん、荒木宗務総長の想いが参加されたみなさんに伝わった手応えを感じている」と語る。

 荒木さんは「インゲン豆はみなさんご存知だが、隠元禅師のことや隠元禅師の想いを今回の機会を通して少しでも知っていただければ。萬福寺では願掛けをされるのではなく、コロナにかからないよう、三密を避けて、手洗い、消毒も励行されながら誓いを立ててほしい。誓いを守られて健やかな日々を大切にされていただきたい」と呼び掛ける。

 イベントは8日17時まで。同寺でのシンボルにもなっている大きな魚の形をした木彫「開梛(かいぱん)」を叩く小学生限定の「かいぱん体験」、西方丈でのお茶会や、陶芸家 岩崎政雄氏の「龍爪花皮:新作発表」展などが行われる。

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