伏見の人材派遣会社・L&P(京都市伏見区向島津田町)の従業員でフィリピン人のハニーシャイラ・オショネスさんが、介護部門としては京都府内初となる「在留資格・特定技能1号」を取得した。8月1日から京都市内の特別養護老人ホーム・西山寮(京都市西京区大原野石作町)で就労を始める。
在留資格・特定技能は、深刻化する人手不足に対応するため、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野で、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていくもので、知識または経験を必要とされる「特定技能1号」と、熟練した技能を要する「特定技能2号」がある。
特定産業分野は介護や航空、農業、外食業など14分野があり、雇用契約(特定技能雇用契約)や体制が適切である受け入れ機関(特定技能所属機関)と、同機関から委託を受けた登録支援機関が連携して、特定技能外国人支援計画の全ての業務を実施する。
ハニーシャイラさんの特定技能1号取得について、同社の外国人担当で登録支援機関・支援責任者の手束美里さんは、「当社では介護職員派遣に力を入れており、外国人の採用も積極的に行っている。また従業員の希望をヒアリングして、それに沿った育成プログラムを組んでいる。ハニーシャイラさんは、フィリピンからの留学生として来日。2019年9月に外国人採用枠でL&Pに入社した。彼女の『将来的に日本に住みたい』という希望があり、特定技能を紹介して一緒に取得を目指した」と解説する。
ハニーシャイラさんは採用後西山寮にジョブトライアルで派遣され、2019年11月に派遣契約による就業を始めた。トライアル開始当時、日本語がうまく話せなかったため、働きながら日本語の勉強にも取り組み、まず2019年12月に日本語能力試験N4、2020年3月に介護日本語評価試験を取得。2020年6月に介護技能評価試験を取得した。
ハニーシャイラさんは「西山寮では特に食事介助の時の利用者との会話が楽しい。老人の方をハッピーにすることで私がハッピーになる。働くことが楽しいので、恩返しの意味も含めて特定技能取得を目指した。特定技能は試験に受かっても、受け入れ先の施設がなければ成立しないので、温かく外国人を受け入れてくれている西山寮に本当に感謝している」と笑顔で話す。