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伏見・向島の配食サービス会社が「食塩ゼロ・カレー」 無塩調味料工夫し味わい豊かに

健幸プラスが開発を進める「食塩ゼロ・レトルトカレー」

健幸プラスが開発を進める「食塩ゼロ・レトルトカレー」

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 京都市伏見区向島の配食サービス会社「健幸プラス」(伏見区向島)が食塩を含まないレトルトカレーの開発を進めている。

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 同社は「地域医療と地域をつなぐ」ことを目的に2014(平成26)年に設立。提携する「むかいじま病院」の管理栄養士が監修する「健幸弁当」の配食サービスを同院の患者向けに提供。2016(平成28)年には訪問看護と訪問リハビリの事業を始めた。2017(平成29)年8月には、地域の包括システムの拠点として「まちの保健室」をオープンするなど、現在では「健幸、ひと、生活をつなぐ地域共生企業」として地域の健康を支えてきた。
 同社社長で看護師・保健師の大濱育恵さんは「配食サービスを行う中で、がん患者のお客さまから『治療の一環で塩分の取りすぎを病院から注意されている。塩分がなくてもおいしいカレーなどを作ってほしい』というリクエストを頂戴した。リクエストにお応えしたいと、昨年10月から見澤由紀恵さんと二人三脚で開発をスタートした」と振り返る。

 大濱さんは自身もがんを患った経験があり、その経験が「食生活で地域の健康を支える」事業の立ち上げにつながった。

 「開発で目指したのは、健康な人が食べても『おいしい』と感じてもらえる味わい。塩を使えないと味に深みやコクが出ず、試食を重ねてもなかなかおいしいというレベルに達しなかった。そこでフードデザイン会社のフーディア(下油掛町)から無塩調味料についてのアドバイスを受け、開発に弾みがついた」と大濱さん。

 試作を重ねた結果、薬膳的な味わいとコクのあるカレーが完成。成分検査し、無塩食の基準となるナトリウム含有量もクリアした。

 大濱さんは「レトルトタイプにしたのは、遠方の方にもこのカレーを食べていただきたいから。今後、ブランディングとともに、生産ラインの調整や販売ルートの整備などを行い、11月の販売を目指していきたい。将来的には、食塩ゼロ食品のバリエーションを増やし、一方では調味料も商品化するなど、病気や生活習慣病で食事について悩む方の食卓を豊かにするサポートをしていければ」と話す。

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