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伏見の酒を海外へ 外国人ユーチューバー起用で新しいプロモーションを模索

伏見の日本酒のプロモーション動画を撮影するユーチューバーのローレント・カッシアさん

伏見の日本酒のプロモーション動画を撮影するユーチューバーのローレント・カッシアさん

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 京都市伏見区の酒蔵各社で1月30日、ヨーロッパの酒バイヤーやユーチューバー、メディアが参加し、「伏見日本酒・海外プロモーションツアー」が行われた。主催は日本貿易振興機構(JETRO)京都事務所。

ローレント・カッシアさんに酒蔵を案内する増田徳兵衛さん

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 ツアーは、日本とEUの経済連携協定が2月1日に発効されることを受けて、「伏見の酒の海外プロモーション」を目的に、JETRO京都が企画。ツアーにはイギリス、ドイツ、イタリア、オーストリア、オランダの酒バイヤーとフランス人ユーチューバー、ドイツのメデイア関係者など8人が参加した。

 今回のプロモーションツアーについて、JETRO京都の石原賢一所長は「伏見の日本酒は京都にとっての貴重なコンテンツの一つ。以前から伏見をフランスのボルドーやブルゴーニュのようにブランディングしたいと考えていた。そのためには、お酒の輸出とともにメディアを招いた情報配信も重要。そこで今回はJETRO初の取り組みとして、外国人ユーチューバーによる海外プロモーションを導入した」と背景を説明する。

 今回動画を配信するユーチューバーはフランス人のローレント・カッシア(Laurent Caccia)さん。動画でのトークによる紹介が特徴で、地方を中心に、日本のさまざまな場所を旅行しながら紹介している。今回のユーチューバーの派遣を含め、海外プロモーションをプロデュースしたのは、Cool Japan TV(東京都渋谷区)。海外ユーチューバーの育成と、ユーチューバーを起用したインバウンドプロモーションやマーケティングを行っている。

 当日は、まず月桂冠大倉記念館を視察。月桂冠大倉記念館では、月桂冠技術部長の山中洋祐さんの日本酒レクチャーに参加、伏見の日本酒の歴史や文化を学んだ。午後からは、増田徳兵衛酒店酒蔵を訪問。酒造りの手順の説明を受け、53年前の古酒の蔵などを取材した。その後立ち寄ったフシミ大学では、伏見の各酒造メーカーの酒の利き酒体験に参加した。

 「フランスでは日本酒はアルコール度が高いお酒というイメージが強いが、増田徳兵衛酒店の『稼ぎ頭』というお酒は8%とワインよりも低い度数で驚いた。今回の取材を通して、伏見の水とお酒の関わりや、各蔵の多様な酒づくり文化に触れて、伏見は『酒の産地』『観光地』『酒を楽しむ場』という3つのストロングポイントがあると感じた。酒を楽しむことができる利き酒ツアーなどを積極的に動画でPRして、伏見の日本酒のブランディングのお役に立てれば」とカッシアさん。

 石原さんは「今回の新しいプロモーション手法がどのような効果があるのか、JETRO全体としても注目している。これをきっかけにフランスを中心に、ヨーロッパの観光客が伏見に注目してくれれれば」と話す。

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