伏見向島の農家・宮本ファームが伏見産の米を使った「米粉カレールウ」を開発し、4月から販売を始めた。
伏見向島地区はかつて巨椋(おぐら)池があった場所で、巨椋池を干拓した広大な土地は農地として利用され、京都有数の穀倉地帯して知られる。
宮本ファームは米、ナス、レタスなどを生産する専業農家で、代表の宮本直嗣さんは3代目。
開発した背景について宮本さんは「元々、稲作農家として『米の消費量を上げたい』という思いがあったことに加え、家庭では妻が米粉のお好み焼きや焼き菓子が食卓に並んでいた。食べてみるとおいしく、夫婦で『米粉を使った料理をいろんな方に食べてもらいたい』と語り合っていたことがきっかけだった」と振り返る。
その後、ビーガンシェフの吉村修さんや食品プロデュースを手掛ける自然派缶詰のカンナチュールとの縁があり、開発が一気に動き出した。
開発を担当した宮本素子さんは「ノンオイル、無添加、ビーガンと体に優しいのがこの米粉カレールウの特長。パウダータイプなので、調味料にも使えるなど汎用(はんよう)性が高い。フェイスブックで作り方やレシピも紹介しているのでご覧いただければ」と話す。
伏見区内の野菜直売所で行ったテスト販売では「小麦アレルギーやグルテンフリー、ビーガンに対しての反応がかなりあった」と宮本さん。ニューヨークのレストランからも問い合わせが入っているという。
今後について宮本さんは「米粉を実際に体験する、商品を販売する『米粉の食工房』を6月にオープンする。地域の人が気軽に立ち寄れるコミュニティーの場にしたい」と話す。「商品に関しては、米粉のシリーズ化とブランディングを進めたい。米粉を使ったお好み焼きミックス、パンミックスの開発や、カレールウの味展開なども考えている。伏見の新しいお土産として発信できれば」とも。
商品はカンナチュールのホームページ、伏見野菜の直売所「じねんと市場」で買える。1袋で4食分。価格は1,080円。