京都市伏見区の京都大学防災研究所(伏見区横大路三栖東ノ口)で10月15日、京都の川魚文化の再興を目指すプロジェクトのイベント「川の恵みを活(い)かす食味会『元気な川の味』」が行われる。主催は京の川の恵みを活かす会と川魚文化再興プロジェクト。
琵琶湖や巨椋(おぐら)池、鴨川などの水資源が豊富で、漁業が盛んだった京都は、古くからアユやコイ、フナなどの「川魚」を中心とした商いや生活が成立していた。漁業も盛んで、市場や商店街には川魚専門店があり、京都独自の食文化としておばんざいの中にも川魚は取り入れられてきたが、明治期以降、環境汚染や治水対策の護岸のコンクリート化により、それらはどんどん消えてきた。
同プロジェクトは日本食育者協会の代表理事で、京都大学大学院農学研究科の教員を務める藤掛進さんの「この貴重な京都独自の食文化を次世代に残していこう」という呼び掛けに、「6次産業化」「大学」「漁業」「流通・販売」のプロが賛同してスタートした。藤掛さんは農業関連の人材教育会社や通販会社の立ち上げにも関わり、農業と水産関係のスキームづくりのプロフェッショナルとして知られる。
同プロジェクトの目標について「川魚の食文化を考えることで、河川の環境問題を再考し、多様な人材が育つ社会の環境を整えたい。アユやコイ、フナなどを実際に加工商品化して、流通させることで継続的なビジネス化するスキームづくりを目指している」と藤掛さん。
当日はアユ、ハエ(オイカワ)、ゴリ(ヨシノボリ)、コイ、ニゴイ、ナマズなどの川魚を調理して食べる試食会のほか、「ニゴイを美味(おい)しく食べる料理教室」「伏見の酒に合う川魚のマッチングコンテスト」なども行う。
開催時間は11時~16時30分。参加費は2,000円。申し込みは京都市産業観光局農林振興室(FAX 075-221-1253)まで。