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龍谷大学で8ミリ上映イベント 大阪万博の映像と時代背景を住民が紹介

龍谷大学深草町家キャンパスで開催された町家シネマ

龍谷大学深草町家キャンパスで開催された町家シネマ

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 龍谷大学深草町家キャンパス(京都市伏見区深草直違橋)で9月30日、1970(昭和45)年の大阪万博をテーマにした8ミリフィルムの上映会イベント「ふかくさ町家シネマ」が行われた。主催は「ふかくさ町家シネマ」(龍谷大学政策学部松浦ゼミ)。

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 コミュニティーメディア政策を専攻する同ゼミでは3年前から、8ミリフィルムの映像を上映しながら、フィルム提供者や当時の様子を知る地域住民らの説明を聞く同イベントを開いてきた。

 今回は、大阪府が誘致を進めている2025年の「大阪万博」が話題になっている背景もあり、大阪万博をテーマに選定。伏見区の市民参加型イベント「ふしざく」に参加、8ミリフィルムをDVD化して保存していた谷口英明さんと出会い、上映の話が具体化した。

 当日は地域住民や学生ら50人が来場。大阪万博の映像を見ながら「三波春夫の『世界の国からこんにちは』が有名だが、実はレコード会社6社が曲を共有して、同時に自社のスターに歌わせた。坂本九や山本リンダも歌っていた」「当時、ペットボトルはなく瓶のボトルのみだった。水筒に飲み物を持って行った」「動く歩道が導入されたのは万博がきっかけだった」など、万博当時の様子を地域住民らが紹介した。

 映像を提供した谷口さんは「大阪万博のテーマは『人類の進歩と調和』。本当に人類にとって大切なのは何か?を問いかける、今でも色あせない素晴らしいテーマ。日本は高度成長期の効率一辺倒の政策によって大切なものを置いてきてしまった。若い世代の皆さんには、そのことを考えていただけたら」と話す。

 ゼミ長で政策学部3年生の早川春香さんは「大阪万博は時代を象徴する一大イベントだったのだと、皆さんの盛り上がりを見て改めて感じた。お越しくださった方同士の、新しいつながりが生まれていたのもうれしい」と振り返る。

 ゼミを指導する松浦さと子教授は「大勢の方にお越しいただけて良かった。当時、町内会から出掛けた皆さんは『当時はやり始めたモーニングサービスを食べてからバスに乗って出掛け、日陰が無くて暑かった』など口々に記憶をたどっていただいた。学生は万博のビフォーアフターで暮らしが変化したことを学んでくれたと思う。この体験を今後に生かしてほしい」と話す。

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