京都市伏見区の海寶寺(京都市伏見区桃山町正宗)の筆投げの間で9月9日から、「伊藤若冲・群鶏図」のレプリカの特別展示が行われる。主催は海宝寺と若冲ロードで花鳥風月を楽しむ会。
海寶寺は江戸中期の享保年間(1716年~1736年)に、黄檗宗(おうばくしゅう)大本山・萬福寺12世の杲堂元昶(こうどうげんちょう)によって創建された寺院。大丸百貨店の創業家・下村家の菩提寺としても知られ、大丸の「丸」の中に「大」の字をあしらった商標は、「天下一の商人になれ」と、同寺の竺庵浄印 (じくあんじょういん)住職が下村彦右衛門に授けたという伝承が残っている。
方丈には伊藤若冲晩年の大作「群鶏図」があったが、現在は京都国立博物館に所蔵されている。今回展示されるレプリカは、近隣の住民らが「海寶寺に若冲の襖絵(ふすまえ)や障壁画を復活させたい」と企画。京都国立博物館からデジタル画像データーを借り受け、デジタル印刷で製作した。
当日はレプリカ展示のほか、京都市立桃山中学の生徒230人が作成した「若冲版画」、同桃山小学校の児童が描いた「アジサイの絵」が展示される。10日にはクラシックコンサートも行われる。
同寺の荒木将旭住職は「今回のイベントは、お寺を地域のコミュニケーションの場として活用いただくきっかけとして企画した。以前から「普茶料理という精進料理の提供」「ヨガスクールの開講」などを行ってきたが、今後も様々ワークショップや講座を企画して、地域住民の方のお役に立ちたい」と話す。
特別展示は9月9日~12日。開催時間は9時~16時(最終日は13時で終了)。無料。
クラシックコンサート(有料)は満席のため、チケット販売は終了した。