京都市伏見区の呉竹会館(伏見区京町南)で5月21日、「発達障がい」を語るイベ
ント「One day cafe kyoto~発達凸凹の?について語るcafe」が行われた。
鈴木さんが議論を図式化していく「ファシリテーショングラフィック」
支援者や発達凸凹(発達障がい)と向き合う当事者が運営する1日だけの対話の場となる同イベント。昨年12月から毎月開いており、当日は32人が参加した。
イベントの主催者で司会進行役の鈴木沙代さんは「関心のある人が対等に同じ空間で語り合い、価値観やノウハウや工夫を共有することで未来へのアクションを考えていきたい」との趣旨を説明する。
この日は鈴木さんが議論を図式化していく「ファシリテーショングラフィック」形式でイベントを進行。まず、参加者がグループに分かれて自己紹介した後、ゲストトークが行われた。
ゲスト参加したLASS to the dream共同代表のyu-kaさんは「実は私自身、発達障がいの当事者。子どものころから忘れ物が多く、バイト先でもよく周囲を困らせてしまっていた。ずっと忘れ物が多い原因が分からず苦しんできた」と自らの経験を語った。
yu-kaさんは「大学生のころ、検索サイトや質問サイトなどで、自分とよく似た症状の人を調べていくと、発達障がいの可能性があることが分かった。受診の結果、『ADD(注意欠陥障がい)』と診断された。正直、長年苦しんできた原因が分かってホッとした」と振り返る。
「一方で『障がい』という言葉が重く、1年くらいは周囲に打ち明けるのをためらった。あるNPO主催のキャンプに参加して思い切って打ち明けたら優しく受け入れてくれた。それが周囲へ打ち明けるきっかけになった」とyu-kaさん。
その後、yu-kaさんは自らのブログの読者だった男性と出会い、自らの体験をベースにした発達障がい支援のメディアを開設。「情報を発信することで、当事者に仲間がいることを知らせたい。発達障がいをネガティブな捉え方をしている方も多い。そういう方や企業の人事部への認知度を高めることで、もっと活躍できる場を提供できたら」とYu-kaさんは事業の目的を話す。
その後、参加者がグループに分かれてワークショップを行い、「発達障がいの定義について」「周囲の環境との協調」などの意見を交換して、イベントは終了した。
鈴木さんは「今日のようにみんなで集まり語り合うことで、一人一人の長所が見つかるかもしれない。今後も毎月行うので、次回以降も多くの方に参加していただけたら」と呼び掛ける。