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アサヒビール大山崎山荘美術館で「夏目漱石・生誕150年記念特別展」

「生誕150年記念 漱石と京都 花咲く大山崎山荘」のポスター

「生誕150年記念 漱石と京都 花咲く大山崎山荘」のポスター

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 京都・アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町)で3月18日から、「生誕150年記念 漱石と京都-花咲く大山崎山荘」の展示が行われる。

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 同館は関西の実業家・加賀正太郎が大正から昭和初期にかけ建設した「大山崎山荘」を創建当時の姿に修復し、1996年4月に開館した。山荘は平成初期にはかなり荒廃していたという。加賀はニッカウヰスキーの設立にも参画、アサヒビールの初代社長・山本爲三郎と同じ財界人として深い親交があった縁から、京都府や大山崎町の要請を受けた同社が行政と連携をとりながら山荘を復元し、美術館として再生した。

 2017年は大山崎山荘第1期工事竣工100年と夏目漱石の生誕150年に当たる。漱石は生涯で4度、京都を訪れており、その経験を基に小説「虞美人草(ぐびじんそう)」を書くなど、京都は思い入れの深い場所だったとされる。

 1915(大正4)年の4回目の京都訪問時には、関西の実業家・加賀正太郎の招待に応え、大山崎に建設中だった加賀の山荘(現アサヒビール大山崎山荘美術館本館)を訪れている。その時に加賀が山荘の命名を依頼、帰京した漱石は創案した14の呼称案を書き記した書簡を加賀に送っている。

 書簡を送った翌年に漱石は死去。山荘は1917(大正6)年に竣工した。

 同館広報担当学芸員の芦刈(あしかり)歩さんは「書簡は長らく所在が明らかではなかったが近頃所在が確認され、当館で所蔵することになった。大山崎山荘竣工から100年目と漱石生誕150年を迎える、この記念すべき年に書簡を当館で初めて一般公開できるのは素晴らしいこと。漱石との縁を感じる」と話す。

 書簡のほか、漱石の日記や、漱石と一緒に山荘を訪れた画家・津田青楓(せいふう)らの作品、加賀正太郎が栽培したランを後年図譜(ずふ)にまとめた「蘭花譜」などを展示する。

 芦刈さんは「4月14日~16日に二松学舎大学(東京都千代田区)の協力を得て『漱石アンドロイド』が当館にやってくる。展示期間中の5月27日を除く第2・第4土曜には学芸員による見所解説も行うので、漱石や大山崎山荘の魅力を感じていただけたら」と呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。入館料は、一般=900円、高・大学生=500円、中学生以下無料、障害者手帳保持者は300円。5月28日まで。

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