京都府大山崎町「山崎の合戦」と岐阜県関ヶ原町「関ヶ原の戦い」の古戦場跡のどちらが本当の「天下分け目の地」なのかを競い合うPR対決サイトが2月1日、オープンした。
羽柴(豊臣)秀吉が明智光秀を破った山崎の合戦(1582年)は別名を「天王山の戦い」とも言い、この山を制した方が天下を取ることになるとして「天下分け目の天王山」といわれ、その後のスポーツの重要な試合などの決戦の比喩として使われている。この戦いで勝利した秀吉は天下人への道を歩き始めた。
一方、関ヶ原の戦い(1600年)で徳川家康率いる東軍と石田三成らの西軍が激突。勝利した家康が3年後に伏見城で征夷大将軍となって幕府を開いた。共に「天下分け目の戦い」として有名で、歴史ファンにも人気が高い。
今回のPR対決サイトは両町が2016年度の地方創生加速化交付金を使って取り組む「天下取りブランド構築事業」の一環。サイトは「町長のコメント対決」「映像対決」「イベント対決」「webサイト対決」「観光アプリ対決」の「5つの対決」があり、3月17日までそれぞれの投票数を競い合う。パソコンやスマートフォンなど1つのアカウントで1日1度投票できるルール。
現在の映像は「予告編のショートムービー」が流れている。大山崎町は俳優のボブ・マーサムさん演じる明智光秀(みつひで)がユーチューバーとなってよみがえり、自己の敗因を元に恋のアドバイスを送り、成功に導く作品。関ヶ原は一人の女子高生が華麗に踊るミュージックビデオ風作品。共に作道 雄(さくどうゆう)さんが脚本・監督を務めた。2月16日には約5分の本編ムービーが公開される。
大山崎町は、イベントでは「大山崎天下取り決戦祭り=大天決祭」「初めての山の日は勝負の天王山に登ろう!天王山のお宝をゲットせよ!」を、関ヶ原町は「名古屋駅コンコースイベント」「関ケ原合戦祭り」をPRする。
ウェブサイトでは、秀吉や光秀などの守り神キャラクターを選び商売繁盛や恋愛、学問などのジャンルから「勝負祈願」ができる。天王山祈願の紙製「ひょうたん絵馬」は、京都市内の児童館のほか、市内の旅館・ホテルなどに設置する。祈願した願いは、町が3月17日の締め切り以降に天王山へ奉納する。関ヶ原町は「関ヶ原合戦屏風(びょうぶ)」にアプリを使って自分の顔を出して、合戦に参加できる。
観光アプリは2月16日に公開される。秀吉によって天王山山頂に築かれた山崎城のAR再現、合戦の様子をまとめたムービーや、現地で見つけるクーポン「勝負手形」などのコンテンツを用意している。関ヶ原町は観光案内・スタンプ帳などの機能に加え、関ケ原町歴史民俗資料館にある展示物のARガイドや、関ケ原町マスコットキャラクター「武者丸」との記念撮影もできる。
山本圭一大山崎町長は「天王山の名にかけて『天下分け目の地』の名前は譲れない。大山崎町は『秀吉が本陣を置いた宝積寺(ほうしゃくじ)』『秀吉が天王山に築いた山崎城遺構』『秀吉が千利休とお茶会を開いた国宝の茶室・待庵(たいあん)』など秀吉ゆかりの歴史文化遺産がある町。歴史資料館ではガイドが詳しく説明してくれる。ぜひ実際に大山崎町に足を運んでいただきたい」と呼び掛ける。