伏見・城南宮(京都市伏見区中島鳥羽離宮町)で10月15日と16日、城南祭が行われた。
城南宮は平安遷都の際、平安城(平安京の別名)の南の守護神として創建された由緒ある神社。平安時代の末期には、この場所に白河上皇が城南離宮(鳥羽離宮)を建てるなど、皇室とも深い関わりがある。疾走する馬上から的に鏑矢(かぶらや)を射る「流鏑馬(やぶさめ)」は、城南宮の発祥とされる。
「方よけ」の神社としても有名で、現在でも「厄よけ」「交通安全」などで、多くの信仰を集める。
城南祭は平安時代から続く祭礼で、氏子が餅を振る舞うことから別名を「餅祭り」ともいわれる地域最大の祭り。「下鳥羽の松みこし」「竹田の竹みこし」「上鳥羽の梅みこし」の松竹梅の3基のみこしが、城南宮から出発して氏子区域を巡幸する。
15日は子供たちの獅子舞奉納が行われ、別名「餅祭り」の由来となった餅つきも行われた。城南宮の川崎重寿禰宜(ねぎ)は「以前は氏子が各家庭で餅をついて配っていたが、最近は境内で餅つきをするのが習わしになっている」という。
16日は12時からみこし巡幸がスタート。「下鳥羽の松みこし」「竹田の竹みこし」「上鳥羽の梅みこし」の順に、勇壮な叫び声とともに担ぎ手たちがみこし舎からみこしを出して、本殿周辺を一周した後出発した。境内には大勢の見物客も詰めかけ、みこしの出発を見送った。
川崎禰宜は「下鳥羽は城南宮の宮本になるので、「松みこし」の屋根上には城南宮の紋様である「太陽と月と星」が配置されている。「竹みこし」「梅みこし」とは屋根上のデザインは異なる。そういう由来や違いを見つけるのも楽しみのひとつ」と話す。
この後、みこしは氏子地区を巡幸し、夕方には城南宮に戻ってくる。