京都、伏見の辻(つじ)農園(伏見区羽束師)が生産する野菜を使い、祇園薬膳料理の膳ぜん(東山区祇園町北側)が作る旬の夏野菜料理コラボが、6月1日よりスタートした。
辻農園は伏見区で約60種類の品種を生産する農家で、土、水、肥料、温度管理、品質管理面などを徹底する姿勢が京都市内の多数の料理店の評価を集めている。同農園代表の辻昌男さんは「歴史のある伏見という土地にこだわりがある。野菜の本来の味、特にコクに強い思い入れがある」と話す。肥料なども伏見の酒蔵や宇治など周辺から譲り受け、作り上げていく細かな作業を惜しまない。
同農園の野菜は料理店や味が分かる周辺の家庭から注文が入るが、辻さんは「自分なりのこだわりを理解してくれる料理人に野菜を使ってもらい、おいしい料理を作ってほしい」と思いを語る。
そんな辻さんの思いを受け、祇園薬膳料理の膳ぜんでは野菜を主役とした料理を提供している。シェフの甲斐嵩規(かいたかのり)さんは「もともと当店は薬膳料理を提供する店ということもあり、医食同源の考え方が基本にある。その中で野菜には強い思い入れがあり、辻農園の野菜を使用している。料理ではなかなか主役にならない野菜を出しゃばらない主役として登場させたいと考えている」と話す。
6月1日からスタートした夏野菜コラボは、薬膳スープと夏野菜コラボをテーマに、夏の暑さを乗り切ることを考えたメニュー構成。「辻農園の野菜冷麺」「薬膳鍋野菜豚しゃぶ」「スープ焼きサムゲタン野菜盛り」などを提供する。
営業時間は11時30分~14時、18時~22時。日曜・祝日定休。夏野菜コラボは8月31日まで。