京都市伏見区の文化交流施設「スペース・ローカヤ」(伏見区深草大亀谷西寺町)で7月8日、藤森に住む外国人が住みやすい地域づくりを目指すプロジェクトのキックオフミーティングが行われた。主催は発起人の龍谷大学名誉教授で民際学を専門とする中村尚司さん、妻の禮子(レイコ)さん。
伏見区は京都市の中でも最も在住外国人が多く、中でも中村夫妻が居住する藤森周辺は特に多い地域。生活様式や言語の違いなどで、地域住民、外国人共に戸惑うことも多いという。
中心発起人の禮子さんは、インドネシアで生まれ戦後に日本に引き上げてきたという生い立ちや、国際協力機構(JICA)職員、日本語教師などに携わってきた経歴から、外国人留学生や旅行者の受け入れを行ってきた。近年、地域住民と外国人の交流の場などをつくりたいと思っていたという。
今回、その思いに藤森学区自治連合会の副会長で元小学校校長の永野勝次さんが賛同し、京都市のまちづくりアドバイザーで深草地域を主担当とする白水育世さんに相談したことがきっかけで、在住外国人支援・「ローカヤ交流プロジェクト(仮称)」として動き出した。
この日のミーティングには、「伏見留学生サポートクラブ」「伏見区青少年活動センター」「青年海外協力協会(JOCA)」などの団体や地域住民、京都大学の学生、龍谷大学の韓国人留学生など、禮子さんや白水さんの呼び掛けで集まった20人が参加した。
まず禮子さんが「在住する外国人や留学生、外国人観光客のために日本の文化や習慣、地域に住むためのルールを教え、地域側には外国人と接する際のポイントや生活習慣・文化の違い等に対する理解を深めてもらい、地域内で外国人が住むための受け皿をつくりたい」とあいさつ。
プロジェクトの理念や構想の説明が行われた後、「在住外国人の生活支援」「スペース・ローカヤの活用・運用」「観光、語学、文化交流」のテーマに分かれてグループミーティングを行い、それぞれの方向性について発表した。
白水さんは「このプロジェクトは地域にとっても非常に大きな意義がある。関係者が一堂に会して有意義な意見交換ができて良かった。進め方はいろいろあるが、まずは可能性のあるところから、連携し合い進めていければ」と話す。
今後、8月16日に外国人留学生と地域住民の交流イベント「大文字送り火鑑賞の夕べ」を開き、9月以降に具体的な活動をスタートする。