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伏見・御香宮神社で能の起源「宇治田楽」 伏見を伝統芸能発信拠点に

宇治田楽の舞い

宇治田楽の舞い

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 京都市伏見区の御香宮(ごこうのみや)神社の能舞台で10月27日、「宇治田楽・演舞奉納」が行われる。主催は伏見伝統芸能継承の会。演舞は宇治田楽実行委員会が行う。

 田楽の歴史は古く、農作業を行いやすくするための掛け声、拍子、歌や、その年の豊作を祈念するために演奏された音楽や舞が起源とされる。平安時代後期以降には貴族も楽しむ芸能として発展。宇治・白川には各地の祭事に奉仕するプロの芸能民が本座(白川座)として活躍していた。室町時代以降、猿楽が主流となり、田楽は徐々に姿を消していった歴史がある。

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 田楽の復活をテーマに、伝統的要素を取り入れた芸能を創作するプロジェクトに取り組む宇治田楽まつり実行委員会。「源氏物語」をテーマとしてまちづくりを推進している宇治市と連携し、市民サイドからまちづくりに参画できる事業を行っている。

 一方、同神社と能、狂言などの伝統芸能との関わりは古く、秋に行われる演舞奉納「神能」は、室町時代に伏見宮貞成(さだふさ)親王が記した「看聞御記(かんもんぎょき)」にも記載されており、約650年続いてきた。

 2018(平成30)年には田楽と同様、能の起源とされる「近江猿楽」の奉納舞踊が600年ぶりに行われるなど、近年は「伝統芸能の次世代継承」「伏見の伝統芸能発信拠点化」を目的とした活動を、氏子や住民らと行ってきた。今回の宇治田楽奉納もその一環。

 伏見伝統芸能継承の会・会長の中西義明さんは「昨年の猿楽奉納は、御香宮神社で執り行われる神能の起源を伏見の皆さんに知っていただく良い機会になったと思う。そこで今年は猿楽よりさかのぼって田楽を演技してもらう機会を設けようと考え、伏見区民文化祭に特別出演していただくことになった。伝統芸能を肌で感じることで、日本という国を好きだという当たり前の感情を持つことができるような場を提供したい」と話す。

 開催時間は11時~11時30分。観賞無料。

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