京都・伏見の藤森神社(ふじのもりじんじゃ)の神幸祭が5月5日に開催される。
藤森神社は今から約1800年前に、神功皇后によって創建された皇室ともゆかりの深い古社。菖蒲(しょうぶ)の節句発祥の神社としても知られ、現代では勝運と馬の神様としても有名だ。
藤森祭(深草祭)は863年に清和天皇の勅(みことのり)を奉じて行った「深草貞観の祭」が始まりで、古来旧暦の5月5日に行われてきた。みこし巡業や武者行列、駈馬(かけうま)神事などが行われる。
当日は、朝7時から神幸祭が執り行われ、9時から宮本下之郷、深草郷、東福寺郷の3基のみこしが出発して、氏子地区を渡御する。途中、伏見稲荷にも立ち寄るが、これはもともと稲荷山に藤森神社の境内があって、戦乱などで現在地に移った後に伏見稲荷ができた歴史に由来する。戦前まではみこし巡業の時に「(稲荷山の)土地返せ」と言いながら伏見稲荷の境内に入っていった逸話が残っている。
宮司家48代目の藤森長生禰宜(ねぎ)は「駈馬神事は、室町時代は衛門府出仕の武官、江戸時代は伏見奉行所の武士、江戸後期から氏子地区の民衆が引き継いで現在の形になった。矢払いなど7種の技が披露されるので、伝統の駈馬を楽しんでほしい」と話す。
駈馬神事の時間は13時~、15時~。