京都府和束(わづか)町の茶農家が7月、お茶の料理や茶摘み体験を楽しめる宿「農家民宿 えぬとえぬ」(京都府相楽郡和束町中菅谷)をオープンする。
和束町は京都府の南東部に位置する町で、宇治茶の総生産数量の半分以上が同町で生産されるなど、京都有数のお茶どころとして知られる。2017年は「お茶の京都博」が同町を含む山城12市町村で開催されており、お茶の産地として注目が高まっている。
同宿を運営するのは、同町の北紀子さん。両親の和雄さんと恭子さんは和束の専業茶農家で、和雄さんが3代目。抹茶の原料になるてん茶を栽培し、自家工場で製造加工している。
宿を始める理由について北さんは「きっかけは友人が言ってくれた『北さんの家のお茶を飲んで価値観が変わった。お茶ってこんなにおいしいと知らなかった』という一言。子どもの頃から普通に飲んでいて、特別なものとは思わなかったお茶が、人の価値観を変えるくらい素晴らしいものだったと気づいた。『家族が誇りを持って作ったお茶を、世界中の人に広めたい』という思いから、景色やお茶を全身で楽しめる宿を作ろうと考えた」と話す。
宿は北さんの自宅の離れの築50年の古民家を活用する。「玄関には土間があり和室の広間には縁側がある、昔ながらの家。縁側でお茶を飲みながら、のんびりとした時間を楽しんでもらえる。近所にはパワースポットとしても有名な樹齢1300年になる大杉があるので、周辺の散策もお勧めしたい。この宿を、宿泊する人と地域の人の交流の場としても役立てたら」と北さん。
北さんは「この宿では『お茶摘みやお茶工場見学』『お茶を使った料理やスイーツ』などわざわざ来ないと体験できないコト、味わえないモノを提供することを考えている。お茶を五感で感じて楽しめるプログラムも企画していくので、興味のある方は足を運んでいただけたら」と呼び掛ける。
料金などは未定。