向日市・西向日の住宅地で現在、約300本の桜並木がまちを彩っている。
1928(和暦)年の阪急電車京都線開通(大阪天神橋駅~京都西院駅)に伴い完成した西向日駅周辺(向日市南開)は、駅と共に田園都市論に基づいた住宅地が開発され、現在も開発当時の道路、ロータリー、噴水公園が残り、昭和初期のモダンな住宅も多数存在する。向日市文化資料館によると、阪急電車による沿線開発は「西の宝塚、東の西向日」といわれる昭和初期において関西でも最大規模の開発であったという。
桜並木が広がる西向日の住宅街は町並みの景観を生かした散歩道として整備されており、閑静な町並みと満開を迎えた桜とのコントラストが訪れる人々を楽しませている。
同地域では「春宮」と墨書された土器が出土しており、向日市観光協会によると「長岡京時代の皇太子の住まいが付近にあったのではないかと考えられている」という。
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