京都駅の地下街「コトチカ京都」などで3月12日、伏見桃山・中書島地区の観光を促進する「伏見桃山・中書島ゆらふプロジェクト」のキャンペーンイベントが行われた。
会場ではこの日、「伏見の日本酒の試飲」「伏見の魅力聞き取りアンケート」などを行った。
伏見稲荷大社は、旅行の口コミサイト「トリップアドバイザー」で外国人に人気の日本国内の観光スポットとして「3年連続日本一」に輝くなど、伏見稲荷地区は京都屈指の観光スポットとしてにぎわっている。一方で、観光客の大多数は、稲荷地区からほかの伏見地区へ移動・周遊しないのが、これまでの伏見の観光の課題になってきた。
京都文教大学の呼び掛けで、「伏見観光協会」「京都市(伏見区、産業観光局交通局)「伏見7商店街」が共同で観光PRに取り組む同プロジェクト。同大学は京都の大学として初めて文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(大学COC=Center of Community事業)」に選ばれるなど、伏見区や宇治市などの自治体と連携して、地域密着型のコミュニテーィ構築を目指している。
これまで、同大学の呼び掛けに応じる形で、京都駅から竹田駅までの運行だった市バスを中書島まで延長するなど、3年間の社会実験がスタートしている。
同大学の専任研究員で同プロジェクトのリーダーの滋野浩毅さんは「市交通局が交通モビリティマネジメントに取り組んでおり、路線充実を模索していた時期と、私たちの提言時期が重なり、スムーズに社会実験までが進んだ。バスの利用状況は非常に良いと聞いている」と話す。
「来年度も継続して取り組むことが決まっている。伏見には、日本酒、歴史文化、商店街など魅力的なコンテンツがたくさんある。シェアサイクルなどの取り組みを推進する市民活動チームとも連携するなどして、観光PRのネットワークを充実させていきたい」と意気込む。