京都市内のホテルで2月18日、硬式野球ボール再生事業「エコボール」の全国集会が行われた。主催は障がい福祉サービス事業所「スマイルワーク」(伏見区深草極楽町)と宇治市の障がい福祉サービス事業所・NPO法人就労ネットうじ「みっくすはあつ」。
「エコボール」は、皮が破れたりして使えなくなった硬式野球ボールを、障がい福祉サービス事業所が手作業で修繕し、再利用できる状態にして、ボールの提供元の高校の硬式野球部に1個50円で販売する仕組み。
同事業は2009年、元プロ野球選手で「スマイルワーク」社長の大門和彦さんが母校の倉庫に山積みされた破損ボールを見て、旧知の「みっくすはあつ」代表の小畑治さんに修繕作業を相談したのがきっかけで始まった。
大門さんが持ち込んだ20球から始まった修繕の取り組みは、2017年2月現在、21の事業所で行われ、高校120校、大学18校、独立プロリーグ1チーム、リトルシニアチームなど40チームの計179団体が利用(依頼)する全国レベルの活動に発展。年間約2万個のエコボールを生み出している。
1月には社会貢献した個人や団体を顕彰する「2016年度 シチズン・オブ・ザ・イヤー」の社会貢献部門を受賞。その取り組みの理念や意義が高く評価された。
この日の「全国集会」は全国の11事業所25人の代表らが参加して行われた。小畑さんや大門さんのあいさつの後、「みっくすはあつ」で作業に取り組む石川恭平さんが「高校時代にエコボールの存在を知り、どうしてもやりたくて参加した。初めてボールを球児に渡した時に喜んでもらえた時は、達成感でいっぱいになった」と説明。その後、各事業所が取り組み報告などを行った。
大門さんは今後について「公益社団法人全国野球振興会(日本プロ野球OBクラブ)や事業所のネットワークなどを通して、47都道府県にこの輪を広げていきたい。将来的には海外へもこの取り組みを広げていけたら」と話す。