京都府大山崎町のミニコミ誌「ツム・グ・ハグ」が1月、7年目を迎えた。
同誌は同町在住のデザイナー・オオバチエさんが「ひとり編集部」として取材・編集・発行を全てこなしている。オオバさん独自の視点で大山崎の「地名の由来」などの地域の隠れた謎を掘り起こし、大山崎の新聞販売所の協力で折り込みチラシという形で毎月3000部を発行するなど、大山崎での認知度や人気は高い。
デザイナーとしても活躍するオオバさんは、大阪府茨木市の出身。結婚を機に大山崎に住みようになった。もともと、デザインに興味があったが「結婚前後にいた職場では縁がなかった」という。結婚から数年たったころにアルバイトで勤めた建築リフォーム会社で「イベント企画」「会報誌の編集」などに携わり、それがきっかけとなってフォトショップやイラストレーターのスクールなどに通って技術を習得した。
その後、町の観光マップなどでイラストの仕事をするうちに、独特のタッチのイラストや表現方法が評判となり、「いろんな方に後押しされ、ミニコミ誌を発行することになった」とオオバさん。
同誌の特長は、オオバさんが描くイラスト。独特のタッチで描くイラストを交えて紹介する「お仕事図鑑」は、大山崎を中心に長岡京市や向日市など乙訓地域で活躍する人を丁寧に取材。その人の歴史や背景を説明しつつ、仕事の内容を紹介していく。
オオバさんは「大山崎は畳屋さんや小児科など、町に1つしかない職種が多い。そういう職種を、子どもたちにイラストで紹介したいと思ったのが『お仕事図鑑』を連載したきっかけ。取材した人がまた次の人を紹介してくれる場合が多く、『魅力的な人の数珠つなぎ』でここまで続けてきた」と話す。「そのうち町外にもつながりが広がり、これまで『犬ぞり北極探検家』『小説家』『宮司』など、50人以上取材してきた」とも。
お仕事図鑑は口コミで各方面の人にうわさが広がり、「書籍化の話もある」という。
今後の目標については「大山崎は豊かな自然と古くからの歴史が魅力で、何度か遊びに来ているうちに住みつく人もいる。自分が魅力的で面白い人を紹介することによって『人に会いに来る町』、言い方を変えると『人のテーマパーク大山崎』を目指していきたい」と意気込む。
同誌は京都新聞大山崎販売所が配布する大山崎地区と大阪府三島郡島本本町地区への折込の他、 京都新聞大山崎販売所・大山崎郵便局JR山崎駅前店・アサヒビール大山崎山荘美術館・大山崎町商工会・大山崎公民館・長岡京恵文社・西田ギャラリーほかで配布している。
問い合わせはFacebookで受け付けている。