京都府大山崎町にある「乙訓環境衛生組合(グリーンプラザおとくに)」(京都府乙訓郡大山崎町字下植野小字南牧方)で1月12日、「自転車・家具再生事業」の新年の仕事始めが行われた。
乙訓環境衛生組合は「長岡京市」「向日市」「大山崎町」の乙訓2市1町の一般廃棄物処理を共同で行う組合として1964(昭和39)年に設立された。「グリーンプラザおとくに」の愛称は、1994年に組合設立30周年記念事業として公募。応募113点の中から選ばれた。施設では可燃ごみの焼却時に発生する熱を利用して発電し、発電した電力はごみ処理施設およびリサイクルプラザで使用するほか、余剰電力は電力会社に送電している。
同組合政策推進課・課長の松井貢さんによると「施設では一般可燃ごみの処理のほか、リサイクル事業にも力を入れている。粗大ごみの中には、少し手を加えるだけでまだ使えるものも少なくない。中でも自転車は年間で750台ほど、家具も大量に各市町から回収されてくる。自転車・家具を再生・循環することを目的として1998年からリサイクル事業化した」という。
再生作業は専門の職人が行っている。同組合からシルバー人材センターへ「再生人材の委託」。自転車再生の職人は向日市シルバー人材再生センターから、家具は長岡京市シルバー人材再生センターから派遣され、水曜・木曜・金曜の週3日、年間120日間、再生作業を行う。
「自転車も家具も2日で1つを目標として再生している。年間60台が目安」と松井さん。
家具の再生職人の林勝造さんは、家具会社を定年後にシルバーセンターから派遣されて、今年で20年目になる。林さんは「家具会社で培った経験がこのような形で役に立てて大変光栄。再生にもいろいろあるが、創意工夫しながらオリジナルに近いものも作っている。自分がここで再生したものにはやはり愛着がある」と話す。
松井さんは「再生された自転車と家具は、毎年10月に開催の『リサイクルフェス』で販売する。自転車は1,000円~4,000円、家具は500円~1万5,000円くらいが価格。新品で買うよりも大幅に安いものもあるので、毎年多くの家族連れが訪れる」と話す。
同施設では乙訓地区の18小学校の4年生を対象に毎年社会科見学会を行い、再生ガラス工房で授業も行っている。