世界遺産の醍醐寺(京都市伏見区醍醐東大路町)で10月29日、小学生が観光大使になり、同寺を訪れた観光客を案内する体験イベントが行われた。
「まなあそび」は2014年に、同代表で京都市立大宅小学校教諭の大松有香さんが「子どもたちに学校以外で遊んで学べる、経験の場を提供したい」という思いから立ち上げたスクールイベント。イベントでは主に醍醐地域の子どもたちを対象に「文化や歴史を知って、誇りにしてほしい」と、小学生が体験を通して学べるプログラムを年間を、通して企画・運営している。
プログラムは「醍醐寺・観光大使(ガイド編)」「京の匠編」「京の味編」「修行体験」などがあり、「「京の匠編」では扇子や置き灯籠などの職人モノづくりを、「京の味編」ではお漬物、八つ橋や湯葉などの京都を代表するお菓子や食材づくりを体験する。
醍醐寺では以前から「醍醐寺てらこやプロジェクト フェミリーフェス」など、地域の子どもや家族が学べる「体験教室」を開いている。「まなあそび」の趣旨に賛同した同寺が、全面的にバックアップしている。
当日は応募のあった小学生14人が参加して、「醍醐寺・観光大使(ガイド編)」を行った。まず、同寺・研修錬でオリエンテーションを行い、「笑顔」「声(明るく)」「視線(見る)」「話す速さ」など、観光大使の心得を大松さんの教諭仲間がレクチャー。続いて2人1組に分かれ、学生スタッフを相手に練習を行った後、五重塔付近へ移動して観光客を相手にクイズ形式で案内した。
最初は緊張気味だった子どもたちだったが、観光客に「醍醐寺の湧き水はどこで湧いていますか?」などのクイズを出していくと、最後は大きな声が出るようになり、笑顔を見られた。
大松さんは「例えば外国人の観光客は日本語が分からない人も多い。その人たちに接することで、英語や外国語を勉強するきっかけになったりもする。子どもたちには、学校ではできないことを、遊びを通して体験してほしい」と期待を寄せる。