京都府八幡市の淀川河川公園背割堤地区で4月1日・2日、「お茶の京都博」のオープニングイベントが行われ、2万人が来場した。主催は京都府(お茶の京都博実行委員会)。
「お茶の京都」は「海の京都」「森の京都」に続く「もう一つの京都」プロジェクトの第3弾。2017年4月~2018年3月の1年間にわたって行う。山城地域12市町村(宇治市・城陽市・八幡市・京田辺市・木津川市・久御山町・井手町・宇治田原町・笠置町・和束町・精華町・南山城村)でさまざまなイベントを開き、宇治茶の魅力を国内外に発信していく。
この日は京都府の山田啓二知事がオープニングを宣言し、「宇治茶Bar」「サムライ茶人のCHAフルマイ」「茶道裏千家・煎茶道二條流エリア」「宇治茶体験エリア」などのお茶体験を来場者が楽しんだ。
お茶の京都博 総合プロデューサーで乃村工藝社の鈴木恵千代(しげちよ)さんは、今回の「Discover Premium Green」というコンセプトについて「プロデュースに関わるまで、宇治茶が実際にどんなところで作られているのかを知らなかった。昨年の八十八夜の時に初めて宇治茶の産地を訪れ、エッジの効いた茶畑の美しさやグラスに入れたお茶のグリーンの色に初めて触れることで『再発見(Discover)』というコンセプトのストーリーが誕生した」と話す。
「日本国内でも、宇治茶の名前は表面的に知っていても、産地や文化を含めた本当の価値や素晴らしさご存じの方は多くないと思う。その価値を客観的に整理して、山城地域が一帯になって情報発信をしていくことで、宇治茶のレベルの高さを立体的に伝えていける。『宇治茶のプレミアム化』を目指している」とも。
今回の博覧会では、茶産業の担い手を育成することも目的として掲げている。2015年からスタートした「宇治茶ムリエ養成講座」などを活用して、インストラクター育成にも取り組んでいく。
鈴木さんは「京都が先頭に立って茶文化を発信していくことで、静岡や八女などを含めた日本の茶産業全体への関心が高まる。『お茶の日本』という国全体の茶文化発信の取り組みに発展させていくきっかけにしたい。東京でも5月に『京都×東京ティーパーティー』という関連イベントを開催するので、足を運んでいただければ」と呼び掛ける。