京都府大山崎町のアサヒビール大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町銭原)で12月18日、「大山崎町スイスフェア2016」が行われた。
山本圭一大山崎町長とスイス名誉総領事のディーター・ソンマーハルダーさん夫妻
同イベントは大山崎町が「2020年 東京オリンピック・パラリンピック競技大会」のホストタウン認定を受けたことを記念するイベントで、町民ら300人が参加して楽しんだ。
大山崎町は1988年の京都国体でフェンシング会場となって以来、「フェンシングの町」として同競技の様々な大会を開催されてきた町として有名。オリンピックメダリストの太田雄貴選手は、大山崎町を拠点とする「京都フューチャーフェンシングクラブ」に所属していた。
今回、スイスのフェンシング選手の事前合宿地として名乗りを上げたのが大山崎町で、2016年6月に国から「ホストタウン認定」を受けた。
大山崎町とスイスの縁は、アサヒビール大山崎山荘美術館の前身、「大山崎山荘」を建てた加賀正太郎が、1910年スイスの名峰・ユングフラウに日本人として初登頂したことまで遡る。
2010年に同美術館で「登頂100周年記念式典」が開催された時、スイス名誉総領事のディーター・ソンマーハルダーさんが同式典に出席をした縁も、今回のホストタウン認定の後押しをした。
来賓として来場したディーター・ソンマーハルダーさんは「大山崎町は天王山があったり以前から南スイスのような雰囲気をもつ町だと思っていた。小さな町だが、環境も町民の皆さんの暖かさが伝わってくる、素晴らしい町だ。本当にいい町がホストタウンに決定して嬉しい」と話す。
イベントでは、まず山本圭一町長が「想像以上の方々にお集まり頂いた事に驚いています。それだけスイスに関心がある方々が多いと実感しました。このようなホストタウンの機運をさらに増やし、スイスと大山崎町との絆をさらに深めて行ければと思っています」と挨拶。
加賀正太郎の曽孫にあたる加賀マクシミリアン正太郎さんなど来賓の挨拶の後、アルプホルンやアコーディオンの演奏会が行われ、最後は旗や楽器を持った町民の皆さんが音楽に合わせて踊るなど、大いに盛り上がった。アルプホルンは通常、木材をくり抜いて作られるが、今回は大山崎町がある乙訓地域の名産品の竹材を使用したホルンも披露された。
イベントでアルプホルンの演奏を披露した玉川アルプホルンクラブ会長・中川重年さんは、1989年に同クラブを立ち上げて以来、アルプホルンを自ら製作して普及につとめる傍ら、国際交流の一環として海外でも演奏会を行うなど、日本のアルプホルンのパイオニアとしても知られる。
中川さんは「2020年にスイスの選手団のおもてなしとして、天王山の山頂でアルプホルンを町民の皆さんと演奏したい。実現したらと考えただけでワクワクする」と話す。
今回のホストタウン事業を企画・運営した大山崎町教育委員会・生涯学習スポーツ進行係・リーダーの上田崇博(たかひろ)さんは「今後も2020年に向けて継続的にスイス関連のイベントを開催する。スイスとの相互理解が深まることで、スイスの町と姉妹都市も目指したい。一過性のイベントではなく、東京オリンピックとしての最高のレガシーとしたい」と意気込む。