京ことばの会が9月4日、大山崎町天王山夢ほたる公園(大山崎町字円明寺小字一丁田)で開かれた「乙訓DREAMフェスタ」に出展した。
「京ことば」とは、平安京のころから使われていた御所言葉、室町時代の町方言葉(商人言葉)、西陣などの職人言葉、さらに祇園(花街)の言葉が語り継がれてきたといわれている。長い年月をかけて変化してきたが、「当会が定義する京ことばは、明治以降から昭和30年代の変化が少ない京ことば」と代表の中島さよ子さんは話す。
中島さんは「長い歴史のある京ことばが今大きな岐路に立たされている。次の世代への時代継承が進んでいない。テレビ、ネットの影響もあるが、京ことばを失うことは文化を失ってしまうことと同じ。長い歴史のある世界的に見ても価値のある美しい言葉を伝えていく思いで活動をしている」と語る。
同フェスタでは、京ことばかるたや、京ことばで語る昔話のCDなども販売され、訪れた人が興味深く見入っていた。
現在、同会の最高齢は80代、若手で40代ということもあり、若い人の参加を考え行動を起こしている。最も力を入れているのが、小学校や中学校など子どもたちの教育で、京都のさまざまなイベントに出展して活動を幅広く知ってもらう取り組みも行っている。
中島さんが京ことばで一番好きな言葉は「はんなり」。「はんなりはもともと、色彩の表現に使う言葉で、スカッとした陽気で上品な明るさをイメージする言葉だったが、現在では料理店の広告に『はんなりとした~風』とあるように、言葉の意味よりも音的なイメージが重視されている。伝統的な京ことばの意味をそのまま継承していきたい」と意気込む。
同会では出前講座も行っている。問い合わせはファクス(FAX 075-862-7261)で受け付ける。