京都府京田辺市の茶葉製品開発会社「都茶寮」が9月1日、同志社女子大学の学生と共同開発したフレーバーティー「SUMIRE」(280円)を販売する。
都茶寮社長の北川欽也さんは、京田辺で江戸時代から続く老舗の茶農家の一家で生まれ育った。兼業農家として茶葉を育てる一方で、「宇治茶の新しい提案」をテーマにした商品を開発。
2017(平成29)年には、玉露の出品茶を抽出した最高級ボトリングティーを発表。2018(平成30)年にはティーバッグのフレーバーティーブランド「the to the KYOTO(テトテ京都)」で、クラウドファンディングに挑戦して目標額の500%超を達成するなど、新しい茶業の価値創出に取り組んでいる。
一方で、同志社女子大まちづくり委員会は、社会連携事業の一環として2017年7月に結成。学科・学年の枠を超え約20人の学生が所属し、学生が主体となり、玉露PRをはじめ、京田辺オリジナル介護予防体操を広める「げんき推進」、地域の子どもたちに楽しみながら英語を教える「えいごであそぼ」など、さまざまなプロジェクトを展開している。
今回のコラボは、「若い女性に好まれるフレーバーティーを大学生と一緒に開発したい」と都茶寮から同大学のまちづくり委員会に打診。打診を受けた同委員会では、半年以上かけて数種類のフレーバー候補の中からブドウ風味のお茶を開発した。
ブドウは同大学のエンブレムにも採用されるなど象徴的なモチーフとして学生に親しみやすく、「SUMIRE」の名称は戦前の本学教員メアリー・F・デントンがキャンパス内に植えたスミレを摘んで、卒業時に女学生一人一人の胸に飾ったというエピソードに由来している。
同志社女子大学現代社会学部社会システム学科3年で同委員会リーダーので高橋美来さんは「同年代の若者に響く、今までに味わったことのないフレーバーティーを作り、多くの方に飲んでいただきたいという思いで新商品を開発した。どのような風味にするのか、どうすればブドウが煎茶に合うのかなど、メンバー同士が何度も話し合いを重ね、結果、お茶本来の味わいとぶどうの爽やかな香りが融合した最高の商品を開発することができた」と話す。
北川さんは「暗いニュースが多い中、少しでも明るいニュースになればと企画した。大学の学生が作ったオリジナルのお茶として、卒業しても自分たちの学校のお茶として親しんで貰うため、まずは現役学生に認知されて学内普及を目指したい。将来的には京都の各大学校章入りのお茶を作れれば」と話す。
商品は都茶寮のサイトで販売する。