京都府長岡京市の柳谷観音・楊谷寺(ようこくじ)で4月29日、上書院の特別公開やアロマストーンや押し花ご朱印帳などの体験を楽しめる、ゴールデンウィークの特別イベントが始まった。
楊谷寺は806年、清水寺の開祖延鎮(えんちん)により建立された。空海が祈とうを施し、眼病に悩む人々のために霊水にしたという独鈷水(おこうずい)や重要文化財の「十一面千手千眼観世音菩薩(じゅういちめんせんじゅせんげんかんのんぼさつ)」など、眼病祈願の寺として信仰を集める。代々の天皇家や豊臣秀吉の側室・淀殿ゆかりの寺、近年はアジサイの寺としても知られている。
今回、特別公開される上書院は天皇家や公家など特別な客のみを通す間。これまで長く公開されなかったが、映画の撮影などをきっかけに整備を行い、毎月17日に限定公開している。2階の部屋からは新緑のモミジが楽しめる。
同寺ではこれまでも、執事の日下恵さんの発案で「アジサイ押し花朱印帳」の開発や「モミジ押し花朱印帳」を作る体験教室を開催してきた。今回は5月7日までの期間内に、「アロマストーン作り体験(4月29日)」「押し花朱印体験(4月30日)」「お琴と尺八演奏会(5月3日・4日)」「マインドフルネス(5月5日)」などの体験イベントを行う。
この日の「アロマストーン作り体験イベント」には、大阪市内の久米叶流(かなる)くん、由流(ゆいる)くん、伏見区の津根鹿(つねか)圭人くん、長岡京市の坂本実希子さん、丈太郎くん、光くんらが参加して行われた。講師はセラピストの本藤知夏さん。
アロマストーンは、カラフルな紙粘土で作ったストーンにアロマオイルを垂らして作る。本藤さんは「楊谷寺で定期的にアロマセラピーイベントを開催しているが、子どもや親子対象のイベントは初めて。大人では思いつかないようなユニークな作品を作る、子どもたちの発想や感性には驚かされた。また機会があれば、このような楽しいイベントを開催したい」と話す。
日下さんは「当寺の庭は戦前に『古都百庭』に選ばれた名勝庭園。この季節の新緑のモミジは、特に美しさが際立つので、上書院からご覧いただきたい。周辺地域の名産のタケノコも旬で美味しいので、ぜひお越しいただけたら」と話す。
上書院の特別公開は5月7日まで。見学料=500円