京都市伏見区の醍醐寺で2月23日、「五大力さんのお餅上げ奉納」が行われ、女性の部に出場した向日市の田中幸子(さちこ)さんが12分5秒(これまでは11分31秒)の新記録を達成した。
「五大力さん」は毎年2月23日に行われる醍醐寺最大の宗教行事。同寺にまつられている「不動明王」(中央)、「大威徳明王」(西方)、「軍荼利明王」(南方)、「降三世明王」(東方)、「金剛夜叉明王」(北方)の「五大力尊」に、国家安穏と万民豊楽を祈る。
2月23日のみ授与される「五大力尊」の分身「御影(みえい)」は、1週間にわたって1000人以上の僧侶が祈念したもので、災難・盗難除けのご利益があるとして、幅広い信仰を集める。近年は、「五大力さん」当日に五大明王の霊験を授かるため、「五大力餅」という巨大な餅を持ち上げる「餅上げ」が名物となっており、女性は90キロ、男性は150キロの大鏡餅を抱え上げ、その時間を競うとともに、無病息災、身体堅固を祈る。
この日は昨夜からの雨も上がり、朝方から大勢の参拝客が訪れた。9時から国宝の金堂で五大力尊「御影」「お守り」授与と柴燈護摩(さいとうごま)特別祈願が始まった。
10時からは醍醐地区3小学校の児童による「餅上げ」が行わ、12時からは「女性の部」、13時からは「男性の部」がスタート。女性の部では8回目となるベテランの出場者の姿も。90キロの餅を必死に持ち上げようと頑張る姿に、特設舞台を囲んだ参拝客から笑い声や「頑張れ~」「まだまだいける!」の声が飛んだ。
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新記録を達成した田中さんは「今回が初めての出場。職業はエアロビクスのインストラクターをしている。通っている『餅上げ道場』で、力だけではなく柔軟性も大切と教わった。持ち前の柔軟性が発揮できての新記録はうれしい」と笑顔で話した。