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京都・伏見 日野薬師・法界寺の裸踊り 大雪と寒さを吹き飛ばす踊りに400人見とれる

水垢離する裸踊りの参加者

水垢離する裸踊りの参加者

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 京都市伏見区の日野薬師・法界寺(京都市伏見区日野西大道町)で1月14日、「法界寺・裸踊り」が行われた。

法界寺の裸踊り

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 法界寺は1051(永承6)年、日野資業が薬師堂を建立した寺で、藤原氏の北家にあたる日野家の菩提寺。建立当時は「観音堂」「五大堂」など多くの堂塔が建てられたが、現在は本堂と阿弥陀堂のみが現存している。一般的には「日野薬師」「乳薬師」として知られている。

 浄土真宗の開祖・親鸞は1173(承安3)年、日野有範の息子として法界寺で生まれ、幼少期を過ごした。足利義政の正室、日野富子も日野氏の一族。

 法界寺の「裸踊り」は、約200年前の江戸時代中後期頃から始まった祭典。元旦から14日間、本堂薬師堂で「五穀豊穣」「万民快楽」「所願成就」を祈る修正会法会(しゅうせいえほうえ)が行われ、結顔日(けちがんび)にあたる1月14日の夜、少年と青壮年がふた組に分かれて、褌(ふんどし)ひとつの裸形となって国宝の阿弥陀堂広縁で踊る。

 この日は夕方から雪が降りうっすらと雪が積もる天候になった。法界寺の岩城秀親(いわしろしゅうしん)住職は「過去、小雪や雨が降ったことはあるが、積雪は記憶にない」と話す。

 19時から薬師堂で法要が、19時30分過ぎから「子どもの部」が行われた。子どもの部は、地元の日野小学校に通う子供ら約20人が参加。寒さに震えながら踊る子どもに、最後は詰めかけた400人の見物客から大きな拍手がおこった。中には参加した子どもを撮影する保護者の姿も見かけられた。

 20時過ぎからは「大人の部」が行われた。最初に願い事を絶叫しながら汲み上げられた井戸水を頭からかぶる「水垢離(みずごり)」をとり、阿弥陀堂広縁で「頂礼(ちょうらい)、頂礼」を連呼。寒さを吹き飛ばすように、身体をもみ合うようにして踊った。氷点下の寒さと井戸水の浴びた身体から湯気が立ち上る異次元の祭典に、見物客も思わず見とれていた。

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