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楠木正成ゆかりの島本町で楠公飯イベント 映画「この世界の片隅に」ヒントに企画

映画「この世界の片隅に」で登場した楠公飯

映画「この世界の片隅に」で登場した楠公飯

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 南北朝時代の武将・楠木正成(まさしげ)ゆかりの大阪・島本町で2月25日、楠公飯(なんこうめし)を楽しむイベントが行なわれた。主催は「ふるさと島本案内ボランティアの会」。

楠公飯と水無瀬鍋

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 楠公飯は、玄米を炒った後、通常のご飯の3倍の水を入れて一晩置いておくと、膨らんで量が増える節米料理で、楠木正成が考案したとされる。戦時中の広島や呉を映画いたアニメ映画「この世界の片隅に」では、主人公の「すず」が嫁ぎ先で教えて貰うシーンで登場する。
 今回のイベントは、映画と正成のつながりをヒントに、同ボランティア会が企画した。

 島本町は江戸時代まで、摂津国と山城国をまたぐ形で京都・大山崎町とひとつの「山崎」という町を形成してきた。このため、現在でも大山崎町とは市外局番や集配郵便局も同じなど、関係が深い。イベントのガイド役を務めた同ボランティア会の牧野道雄さんは「大山崎町とは兄弟のような関係。ボランティア会も立ち上げた13年前当時から、大山崎町の職員やまち歩きのスタッフに指導してもらうなど交流してきた」と話す。

 この日のイベントは、同町の住民を中心に京都・長岡京市から来た人など、35人が参加して行われた。まずJR島本町駅前にある「島本町歴史文化資料館」を訪問。続いて、湊川の戦いに出陣する楠木正成が息子の正行(まさつら)と別れた「桜井の別れ」の舞台、国の史跡「桜井駅跡」で江戸期から昭和に建てられた石碑の歴史について学んだ。

 その後、徒歩で島本町桜井公会堂まで移動。ボランティアスタッフが炊き上げた「楠公飯」と「水無瀬鍋(みなせなべ)」が参加者に振る舞われた。牧野さんは「『水無瀬鍋』は、豚肉と大根の水炊きを『卵黄』『醤油』『みりん』『酒』を入れた『つけダレ』で食べるもので、水無瀬地域独特の食べ方」と解説。町内から来たという参加者は「楠公飯は香ばしく、思った以上に食感もあって美味しい。水無瀬鍋もつくり方も簡単なので家でもやってみたいと」笑顔で話す。

 牧野さんは「今回の企画は年末から2ヶ月で組み立てたのでほとんど告知できなかったが、通常のイベントの倍近くの参加者があった。反響の大きさに驚いている。今後、楠公飯と水無瀬鍋をセットで郷土料理として売り出していくなど、島本町を盛り上げていきたい」と意気込む。

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