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京都伏見・辨天祭 かがり火と十石舟、祭太鼓で盛り上がる

かがり火の中を通る十石舟

かがり火の中を通る十石舟

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 伏見・宇治川派流の弁天橋・十石舟乗り場などで7月24日、「京都伏見・辨天祭(べんてんまつり)・十石舟かがり火運行」が開催された。主催は辨天祭・舟渡御(ふなとぎょ)復活プロジェクト実行委員会。

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 辨天祭は江戸時代から続く祭りで、宇治の県祭(あがたまつり)、藤森祭(ふじのもりまつり)と共に、洛南(らくなん)3大奇祭の一つ。中書島周辺の河川改良や水門建設などで宇治川への舟渡御ができなくなり、1951(昭和26)年を最後に中断したが、「かがり火や辨天囃子(べんてんばやし)、舟渡御を復活させよう」と地元の有志が中心になって取り組み、かがり火の中を十石舟が特別運航するようになって今年で3回目。

 祭りに先立って、17時から伏見出身の染色家の吉岡幸雄(さちお)さんによる「伏見の語りの会」が伏見夢百衆で開催された。その中で吉岡さんは「京都や伏見の水は鉄分が少なく非常に質が良いので、酒造りや染め物に適している。かつて川は物流の中心だった。そこに目をつけた秀吉が大規模な工事を行って造ったのが伏見港。以来、伏見は大坂と川で結ばれて、人と物の流れの中心になった。例えるならば川はハイウエーで伏見は交通の要所、いわばインターチェンジだった」と伏見の魅力や栄えた理由を説明。その他、「かつての巨椋(おぐら)池の話」「明治天皇陵と桃山の話」など伏見にまつわる話に、招待された乗船者が聞き入った。

 19時ごろ、40人が乗った2そうの十石舟が夜間の特別運航に出航。日暮れとともに両岸の20基のかがり火が点灯され、幻想的な雰囲気に沿岸の見物人からも歓声が上がった。祭り太鼓の演出が雰囲気を盛り上げる中、十石舟がかがり火の中を通り抜けたところで盛り上がりは最高潮になり、特別運航は終了。乗客たちもかがり火に見入りながら、余韻に浸っていた。

 同プロジェクトの実行委員長の澤田勝也さんは「天候にも恵まれて大勢の方に楽しんでいただけて良かった。祭りを一緒に作って盛り上げてくれた40人の地元有志の皆さんには感謝している。来年以降も辨天囃子や舟渡御など、祭りの本来の姿に戻していくために皆で力を合わせていきたい」と話す。

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