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伏見の老舗酒蔵「山本本家」、「知恵創出“目の輝き”」受賞 伝統産業の技術革新評価

「知恵創出“目の輝き”」の表彰状を手にする取締役の山本晃嗣さん

「知恵創出“目の輝き”」の表彰状を手にする取締役の山本晃嗣さん

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伏見の老舗酒蔵・山本本家(京都市伏見区上油掛町)が9月、「知恵創出“目の輝き”」を受賞した。

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 山本本家は1677年創業の伏見の酒蔵。「神聖」や表千家御用達の「松の翆(みどり)」などのブランドで知られ、敷地内の井戸、白菊井は「伏見七ツ井」の一つで名水として知られる。

 「知恵創出“目の輝き”」は、京都市が設立した地方独立行政法人「京都産業技術研究所」が、同研究所の技術力をベースにした企業への技術支援や企業マッチングなどに取り組み、伝統技術と先端技術の融合や新たな気付きによる新技術・新商品の開発などを行った企業を「知恵創出“目の輝き”」企業として認定している。2013年から成果の上がった企業を毎年4社認定し、今年で4回目。

 山本本家は、同研究所が開発した冷酒向け酵母「京の咲(さく)」を利用した、米吟醸酒の製品化の技術を評価された。

 山本本家の取締役、山本晃嗣さんは「『京の咲』はリンゴ酸が多めに出る酵母。酵母の働きはアルコールを造ることと香り成分を出すこと。リンゴ酸が多い酵母を使うことで、これまで以上にフルーティーで酸味がある日本酒を開発することができるようになった。この酵母が実用化できるようになったことで、日本酒の幅が広がる画期的なこと」と話す。

 「来年で340年を迎えるが、常に『品質本位』『顧客満足』を掲げ、時代のニーズに合わせる日本酒造りと技術革新を行ってきた。そういう意味で今回、『伝統技術と先端技術の融合』の分野で評価いただけたのは大変光栄なこと」とも。

 今後については、「毎年行っている酒米作りなどの体験型イベントを充実させ日本酒ファンを増やしたい。女性目線や外国人目線での日本酒や一緒に楽しめるおつまみも開発できたら」と意気込む。

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